よくある質問

2016.10.31更新

ロタウイルスは乳幼児の胃腸炎の主な原因です。嘔吐と下痢、発熱が主な症状です。冬から春にかけて流行し、「白っぽい下痢」、「酸臭の下痢」としてよく知られます。世界では年間約53万人の子供たちが命を落としているという報告があります。日本でも6歳未満の小児のうち年間約80万人が外来受診していると予想され、うち10%程度が脱水をきたし、入院治療を要するケースも少なくありません。脳炎や腸重積症、腎不全などの重篤な合併症が存在するのも特徴です。伝染力は非常に強く、感染者の便から数週間〜1か月程度排出されます。

ロタウイルスは多くは初感染で重症化します。5歳頃までにほぼ100%の乳幼児が感染し、感染を繰り返すと徐々に軽症化します。小学生や成人でも感染する場合がありますが、3回目以降の感染では多くは無症状、あるいは軽症です。

●ロタウイルスワクチン
ロタウイルスワクチンは現在2種類が存在しています(ロタリックスとロタテック)。いずれも生ワクチンです。どちらも生後6週以降(当院の推奨は生後2か月からヒブ、肺炎球菌、B型肝炎ワクチンとの同時接種)14週6日までに初回接種を開始することが推奨されます。両者の特徴は以下の通りです。

・ロタリックス:2回接種。対応するウイルス株は1種類ですが、それ以外の株に対しても病気の発症を抑えることができます。2回の接種で済むため比較的ワクチンスケジュールが組みやすく、短期間で病気に対する抵抗力をつけることができます。

・ロタテック:3回接種。対応するウイルス株は5種類で、より多くの種類のロタウイルスに対して抗体を獲得することができます。これは非常に有効な特徴ですが接種回数が多いために同時接種を導入しないとロタウイルス、同時期に接種が推奨されるヒブ、肺炎球菌などの感染症予防が遅れてしまう可能性があります。

副作用としては10%未満の確率で下痢が認められます。ロタウイルスの経口生ワクチンが初めて使用された際、腸重積症の報告が増加しました。現在流通しているものとは全く別のワクチンであり、ロタリックス、ロタテックに関しては腸重積症の患者が有意差をもって増加したとの報告はありません。ただ、ロタウイルスの経口生ワクチンを使用する際には、有効性とともに腸重積症の症状(激しく間欠的な啼泣、嘔吐、血便)を理解して子供たちの体調変化に気を配る必要があるでしょう。ワクチン使用後、7日以内に発症する可能性があり、1か月程度は経過観察を要すると思われます。

日本では比較的新しいこれらのワクチンですが、既に海外では多くの国で採用されています。どちらのワクチンも有効率は非常に高く、80%以上の確率で感染を防止し、90%以上の確率で重症化を防ぐと予想されます。ロタウイルスの危険性を考慮すると是非接種いただきたいワクチンです。

投稿者: ぽっけキッズクリニック

2016.10.31更新

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによっておこるウイルス感染症です。主な症状は高熱、頭痛や咽頭痛、関節痛、咳や鼻汁です。発熱は無治療ではだいたい5日間くらい続きます。感染してから発熱などの症状が現れるまでの潜伏期はだいたい2~3日です。

●インフルエンザの合併症
注意すべき合併症は肺炎と脳炎・脳症です。意識障害、痙攣、異常行動(奇声をあげる、意味のわからない発言や行動など)の症状がある場合には直ちに受診が必要です。抗インフルエンザ薬(タミフルなど)と異常行動の関連が疑われましたが、現在はインフルエンザ感染自体が異常行動の原因と考えられています。抗インフルエンザ薬の使用の有無にかかわらず、お子さんを一人で寝かせたり、お留守番させたりすることなく見守ってあげてください。

●インフルエンザの診断
迅速診断キットでその場で診断が可能です。十分にウイルスが増殖していないと検査が陽性になりません。だいたい発熱後6時間で5割程度、12時間で8割程度が陽性になります。発熱後まもなくでも症状が強く、インフルエンザが疑わしい場合には検査の結果を待たずに抗インフルエンザ薬の治療を開始する場合があります。

●インフルエンザの治療
他の病気と同様に、インフルエンザの治療でも最も大切なことはしっかりと休養を取ることです。症状をよく観察しながら十分に水分をとらせて、汗などの対処をして休ませます(「よくあるご質問」の中の「発熱時のケア」を参照してください)。

症状が強い場合には抗インフルエンザ薬を使用します。抗インフルエンザ薬はインフルエンザの増殖を抑えてその症状を和らげる、解熱までの期間を短縮する、合併症の発症を抑制する効果が期待されます。でも、抗インフルエンザ薬はインフルエンザウイルスを殺すわけではありませんから過信は禁物です。

現在、抗インフルエンザ薬には以下のように複数の種類があります。症状が改善しても途中で使用を中止することなく医師の指示通り最後まで使用することが大切です。その他、一部の漢方薬などで症状を緩和することができます。発熱がつらい場合は解熱剤を使用します。小児の場合は必ずアセトアミノフェンが主成分の解熱剤(アンヒバ座薬やカロナールなど)を使用します。

※抗インフルエンザ薬の種類
・内服薬 タミフル(1日2回 5日間内服します)
・吸入薬 リレンザ(1日2回 5日間吸入します) イナビル(1回吸入で効果が持続します)
・注射薬 ラピアクタ(1回注射で効果が持続します) 

●出席停止期間
インフルエンザの出席停止期間は以下のように決められています。
「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」

●インフルエンザの予防
インフルエンザが発症してからの抗ウイルス薬の投与では脳症などの合併症を完全に抑止することはできません。インフルエンザの予防にはワクチン接種が大切です。集団生活をしている場合、喘息など基礎疾患がある場合、ご家族に小さなお子さんや妊娠中の方がいる場合には積極的にワクチン接種を済ませましょう。インフルエンザワクチンは任意接種で生後6か月から接種可能です。妊娠中でも接種可能で、母親がワクチンを接種すると生まれた赤ちゃんにも効果が期待できます。ワクチンの効果が現れるのは2回目の接種終了後だいたい2週間後からです。流行前に接種を完了することが大切です。流行期には人ごみをさけて、マスク着用、手洗いうがいなど感染予防に努めてください。

投稿者: ぽっけキッズクリニック

2016.10.31更新

●B型肝炎とは?
B型肝炎ウイルスの感染によって発症します。伝染力も非常に強いウイルスです。黄疸、発熱、腹痛、全身倦怠感などの症状を認めます(急性肝炎)。急性肝炎の予後は比較的良好と考えられていますが、時に感染が持続して慢性肝炎、肝臓がんの原因となります。これまで乳幼児のB型肝炎ウイルス感染は慢性化しやすく、成人の感染は急性感染が多いと考えられてきました。しかし近年、海外から肝炎ウイルスが持ち込まれるケースがあり、この場合は成人でも慢性化する可能性があります。

感染経路として最も多いのは母子感染です(お母さんがB型肝炎ウイルスのキャリアーの場合、出産の際に赤ちゃんが感染します)。次いで性交渉などによる感染があげられます。また頻度は少ないものの感染経路がはっきりしない例も存在します(父子感染など家族内での感染、保育園など集団生活などでの感染が考えられます。感染者のだ液や、汗、涙などにもウイルスが存在することが知られています)。

●感染予防
B型肝炎ウイルスの感染予防を考えるとき、急性感染と慢性持続性感染を分けて考える必要があります。まず、最も感染リスクの高い母子感染予防に関しては、現在、母親がB型肝炎ウイルスのキャリアーの場合、保険治療で赤ちゃんのガンマグロブリン投与とワクチン接種が行われています。
慢性化してしまう可能性が高く、集団生活する機会の多い乳幼児に関しては任意接種のワクチンにより感染を予防すべきです。海外には感染者の多い国が少なからず存在し、この様な国に渡航する場合や性交渉する可能性のある世代もまた感染予防の適応と考えます。

●B型肝炎ワクチン
特に慢性化しやすい乳幼児のB型肝炎ウイルスワクチンは肝臓がんの予防ワクチンと考えることもできます。WHO(世界保健機関)ではB型肝炎ワクチンをすべての子供たちが接種すべきワクチンと位置づけていますが、感染リスクの比較的低い日本において定期接種は行われていません。母親がB型肝炎ウイルスのキャリアーである以外のB型肝炎ウイルスワクチンの接種は任意接種となります。B型肝炎ワクチンはどの年齢でも接種可能なワクチンですが、特に慢性化しやすい乳幼児に積極的に接種が勧められます。初回接種2回と半年~1年後にもう1回接種します。ワクチンは20年程度有効と考えられますが、感染リスクが高い国に渡航する場合などには追加接種を考慮します。

投稿者: ぽっけキッズクリニック

2016.10.31更新

おたふくかぜウイルス(ムンプスウイルス)の感染によって発症します。日本では毎年約60万人が発症しています。かかっても軽症の場合が多いのですが、重い合併症を引き起こす場合があります。
2~3週間の潜伏期の後に、両方またはどちらかの耳下腺がはれてきます。触ってもはっきりしたしこりに触れるわけではありませんが、家族など周囲の人が見るとはれているのに気がつきます。しばらくすると反対側も腫れてきます。発熱は起こることも、起こらないこともあります。症状が出ない(不顕性感染)場合もあります。またおたふくかぜ以外でも、耳下腺が腫れることもあります。周りでおたふくかぜが流行しているかどうかも診断の助けになります。

おたふくかぜには多くの合併症があります。約50人に1人の割合で無菌性髄膜炎が起こります。これを発症すると強い頭痛を訴え、嘔吐することもあります。約1,000人に1人の割合で、一生治らない重度の難聴になることがあります。年間700人くらいがかかっていると推定されています。毎年約30人に脳炎が起こっていて、障害が残ったり死亡したりすることもあります

⚫︎難聴に注意!

おたふく風邪の合併症のひとつが難聴です。約1,000人に1人の割合で発症します。年間700人くらいがかかっていると推定されています。多くの場合は片側性ですが、時に両側の難聴となります。治療は困難で一生治らない重度の難聴になることがありますから、ワクチンで未然に予防することが大切です。

 

●おたふくかぜワクチンは2回接種を!

多くの国では1回の接種では予防効果が不十分として2回接種が行われており、当院でも2回接種をお勧めしています。1歳を過ぎたらできるだけ速やかに初回接種を済ませて、3~5歳頃に2回目接種を行います。遅くともMRワクチンと同じ頃(就学前の1年間)までに接種を済ませることをお勧めしています。

投稿者: ぽっけキッズクリニック

2016.10.31更新

●みずぼうそう(水痘)とは?
みずぼうそうは水痘帯状疱疹ウイルスによって起こる感染力が大変強い病気です。多くの場合それほど重くなりませんが、重症になる例があり、命を落とす場合もあります。通常2~3週間の潜伏期の後に熱が出て、体に虫さされのような赤い斑点が出てきます。1日くらいでそれが水ぶくれになって、全身に広がります。強いかゆみもあります。熱は数日でおさまって、水ぶくれの所も黒いかさぶたがつくようになり、7日くらいでおさまります。平成26年10月に水痘ワクチンが定期接種化されました。それまでは日本国内で年間100万人くらいいると予想された患者数は定期接種導入後劇的に減少しました。

軽いと思われるみずぼうそうですが、脳炎や肺炎、皮膚の重い細菌感染症など多くの合併症が知られています。日本でも、約3,000人が重症化し、10人以上が毎年みずぼうそうで死亡しています。特に重症になりやすいのは、1歳前、7~10歳以上、アトピー性皮膚炎など皮膚の病気のある人などですが、健康な子供や大人も重症になるのが問題です。

●みずぼうそうと帯状疱疹
みずぼうそうと帯状疱疹は、共に水痘・帯状疱疹ウイルスが原因で起こります。みずぼうそうはこのウイルスにはじめて感染したときに起こる病気の姿です。帯状疱疹とは、体の片側に強い痛みと痒みを伴う発疹が出現する病気です。時に痛みが長期間に及ぶこともあります(帯状疱疹後神経痛)。みずぼうそうに罹患するとウイルスは完全に排除されることはなく、一部は私たちの神経節という場所にずっと住み続けます。みずぼうそうに罹患したことのある人(既感染者)が、ストレス、疲労や加齢、特定の病気の治療を受けて水痘に対する抵抗力が落ちると、みずぼうそうのウイルスが再び活性化して帯状疱疹を引き起こします。
帯状疱疹はみずぼうそうの抗体が維持されていれば、仮に水痘ウイルスが神経節の中に残っていても発症しません。これまでは毎年多くのひとがみずぼうそうに罹患していましたから、知らぬ間にみずぼうそうの患者と接触することで免疫力が高まり(追加免疫)帯状疱疹を発症することも防がれていました。子供たちと多く接触する保育園の先生には帯状疱疹が少ないというのはよく知られている話です。ただし、今後水痘の患者が減少するとこの追加免疫を得ることができなくなり、水痘の既感染者の中に帯状疱疹の発症率が増加すると思われます。帯状疱疹を予防するには、まずワクチンでしっかりとみずぼうそうを予防すること、既にみずぼうそうに罹患してしまった場合は、日頃から十分に健康に気をつけることが重要です。

●水痘ワクチンは2回接種を!
水痘ワクチンは26年10月から定期接種になりました。2回接種が基本です。定期接種の対象年齢は1歳と2歳です。1歳をすぎたらできるだけ速やかに初回接種を済ませて、3か月以上を経過したら(できるだけ2歳の誕生日までに)2回目の接種を済ませます。

※定期接種の機会を逃してしまった場合も任意接種として合計2回の接種をお勧めします。

投稿者: ぽっけキッズクリニック

2016.10.31更新

●結核とは?
結核は結核菌による細菌感染症です。先進国では減少傾向にある病気ですが日本では未だに毎年多くの人が感染しています。感染した場合、すべての人が発症するわけではなく高齢になってから、免疫力を落とすような病気になった場合に発症することもあります。微熱や咳など、風邪のような症状が長引く場合もありますが、乳幼児が感染した場合には肺結核(粟粒結核)や、結核性髄膜炎など非常に重篤な経過をとる場合もあります。また、治癒に半年以上を要するなど、治療が難しい病気でもあります。感染経路は空気感染、飛沫感染で患者さまの咳などで感染します。家族内、集団生活などで多くの方が感染する可能性があります。

●BCG
結核菌に対する予防接種がBCGです。結核菌に自然感染する前にBCGを接種することで発病する機会を大幅に減らすことができます。特に粟粒結核、結核性髄膜炎にはBCGは極めて有効です。
現在、日本では定期接種としてすべての子供たちが接種すべきワクチンです。生後3か月から7~8か月頃までに接種することが推奨です(平成24年度までは生後6か月未満、平成25年度以降は生後12か月未満が定期接種対象年齢です)。

●BCG接種の注意点
BCGは他のワクチンに比べても副作用の少ないワクチンです。接種部位を刺激しすぎるとケロイドとして跡を残す場合があります。接種後は直射日光を避けてこすったりしないでください。BCG接種の場合はゆったりした長袖でお越しいただくことをお勧めします。「BCG跡が目立たないように」と、洋服に隠れる肩に近い部分への接種を希望される場合がありますが、このような場所は衣類にこすれてケロイドになりやすいです。だいたい上腕の真ん中あたりに接種します。

●BCG接種後の皮膚変化(コッホ現象)
BCGを接種したところは接種後10日頃から赤くなりはじめ、1~2か月するとかさぶたになります。かさぶたになっても強くこすったりしないで清潔にして自然にきれいなるのを待ってください。
このような通常の反応より早く、接種後10日以内(多くは接種後2~3日)に接種部位に発赤やかさぶたが現れることをコッホ現象といいます。赤ちゃんがBCGを接種する前に既に結核に感染している場合があります。接種医にご相談ください。

投稿者: ぽっけキッズクリニック

2016.10.31更新

●ポリオとは?
ポリオウイルスの感染によって発症します。ウイルスに感染しても多くの場合は症状が出ないか、出てもかぜのような症状だけです。しかし約1000~2000人に1人は手足にまひが出るとされています。日本でもかつて大流行したことがあります。その時は母親たちがマスコミとともにポリオ撲滅の大活動を行いました。その結果、当時の厚生大臣はソ連やカナダから使用し始めたばかりのポリオの生ワクチンを緊急輸入して子供たちに投与しました。するとまたたく間に流行がおさまりました。
世界ではポリオウイルスは激減しています。しかし南アジアやアフリカなどのごく一部の地域では現在でも流行しています。なかなか根絶できないどころか、ワクチンを飲まなくなった地域では再び流行しています。日本では、約30年前から野生株による患者は出ていませんが、世界との交流が盛んな現在ではワクチンの接種を長い間中止すれば必ず流行がおこると考えられています。

●症状や経過
このウイルスに感染しても、ほとんどの場合は発病しないか目立った症状は出ず、出ても多くはかぜのような症状だけです。約1000人から2000人に1人の割合で手足のまひが起こり、運動障害が一生の後遺症として残ることがあります。またその一部の人が、数十年後に突然、疲労、痛み、筋力低下などに悩まされることがあり、これはポストポリオ症候群(PPS)と呼ばれています。呼吸をするための筋肉である横隔膜などにまひがおこると呼吸ができなくなり、その場合には、人工呼吸器を使わなければなりません。

●予防方法は?
ポリオワクチン、四種混合(DPT-IPV)ワクチン(いずれも定期接種・不活化ワクチン)で予防します。単独のポリオワクチン(IPV)は2012年9月に、四種混合ワクチンは2012年11月に導入されました。

●生ポリオワクチンについて
2012年8月までは定期接種ワクチンとして使用されていました。生ワクチン(口から飲むタイプ)はポリオを予防する効果は強いのですが、まれに(70万人に1人くらい)ワクチンウイルスによる麻痺が起こっていました。2012年9月から、日本でも欧米と同様に人に小児まひ(ポリオ)を発病させるおそれがない不活化ポリオワクチンに切り替わりました。

投稿者: ぽっけキッズクリニック

2016.10.31更新

麻しんウイルスによるウイルス感染症です。肺炎や脳炎といった重篤な合併症が多く、命を落とすこともある非常に危険な病気です。飛沫感染や空気感染し伝染力も非常に強いのが特徴です。日本ではワクチンの効果により感染者は減少していますが、ワクチン接種前1歳未満で感染する例や、最近では成人での感染例も認められます。海外では流行している地域も少なくなく海外旅行で感染するケースもありますので、渡航前に主治医に相談してください。

●麻しんの症状
潜伏期は10〜14日程度です。はじめは高熱と咳、鼻などに症状があらわれます。3〜4日すると少し熱が下る場合がありますが、その後再び高熱を認めるようになります。咳などの症状もいっそう強くなります。再び高熱を認める頃から体に発疹が出現します。発熱から解熱まで1週間から10日間位を要します。

●合併症
麻しんに罹患すると多くの人が肺炎を合併します。その他、脳炎などの発症率も高いです。稀ではありますが、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)と呼ばれる病気になることもあります。これは麻しんにかかって数年してから、知能の障害と痙攣が起こり、発病がわかります。残念ながら根本的な治療法はありません。

●治療とワクチン
麻しんの治療法はありません。麻しんは非常に重篤な病気です。ワクチンで予防しましょう。麻しんの予防には2回の予防接種が重要です。定期予防接種(1回目:1歳以上2歳未満、2回目:小学校入学前1年間)を必ず接種してください。
ワクチン接種前に麻しんや風しんにかかったことがあると診断されても、できるだけMRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)を接種しましょう。麻しんや風しんにかかったことがある人がMRワクチンを接種しても問題ありません。

投稿者: ぽっけキッズクリニック