MainImage

予防接種



当院でワクチン接種をご検討の方へ

当院の取り扱いワクチン

※当日のお支払いは現金またはクレジットカードが利用可能です。

予防接種にお持ちいただくもの

定期接種の場合は必ず横浜市から配布されている予診票を持参してください。任意接種の場合は当院に予診票がございます。また、下記よりダウンロードが可能です。
母子手帳
現在服薬しているお薬がある場合はお薬手帳など

ワクチン接種前の注意

ワクチンは体調の良い時に接種すべきです。でも、ちょっとした咳や鼻水程度で、発熱がなければ医師の判断で多くの場合は接種が可能です。また、内服中の薬がワクチンに影響してしまうことも殆どありません。薬を使用中でも接種ができます。事前にご相談ください。
インフルエンザワクチンなど一部のワクチンはごく微量の鶏卵の成分を含んでいます。卵のアレルギーがある場合にこれらのワクチンを接種するときには注意が必要ですが、鶏卵をはじめ大部分の食物アレルギー児はすべてのワクチン接種が可能です。はじめから接種をあきらめるのではなく事前にご相談ください(接種前にアレルギー検査などをお受け頂く場合があります)。
接種当日は子どもの体調をよく確認し、自宅で一度検温を済ませてください。自治体などから配布されている「予防接種のしおり」などに目を通して、今日接種を受ける予定のワクチンについて注意点などを今一度ご確認ください。

ワクチン接種後の注意

ワクチン接種後に接種部位をもむ必要はありません。ワクチン接種後30分くらいは安静にして、異常があった場合はすぐに医師に連絡がつくようにしておきましょう。1時間程度異常がなければ普段通りの生活をして頂いて大丈夫です(公園で遊んでも、保育園に連れていって頂いてもOKです)。入浴や食事も制限はありません。
ワクチン接種当日から翌日に発熱を認める場合があります。多くは24時間程度で解熱しますが、元気がなく哺乳が悪い場合などは受診してください。接種部位の発赤や腫れが出現する場合がありますが、子どもが強く痛がる様子がなければあまり心配はいりません。患部を冷やしてあげるなどの対処で痛みや痒みを和らげることができます。

ワクチンの副反応

ワクチンの副反応が疑われた多くの症状(突然死や脳障害、発熱や嘔吐など)は実際にはワクチンと関連のない紛れ込みが殆どです。もちろん副反応のない医薬品はありませんから接種後の経過観察など丁寧に行う必要はありますが、健康な子どもであればあまり心配しすぎる必要はありません。副反応の多くは接種部位の腫れや一過性の発熱などです。多くは2~3日で軽快します。

アナフィラキシー

副反応のうち最も注意しなければならないのがアナフィラキシーというワクチン接種に伴うアレルギー反応です。多くは接種直後から数時間以内に症状が現れます。急に元気がなくなったり、嘔吐を繰り返したり、ゼーゼー呼吸が苦しそうな時は直ちに受診するようにしてください。

ワクチンの重要性

VPDはワクチンで予防しましょう

乳幼児期にはさまざまな感染症に罹患します。感染を繰り返すことによって免疫をつけて病気にかかりにくくなってゆきます。しかし、子どもがかかる病気はすべてが風邪のように軽いものばかりではありません。一部は重篤な後遺症を残したり、時に命を落す場合もあります。ワクチン接種が勧められている病気は医療が進んだ日本においても確実な治療法が存在していないものばかりです。
ワクチンのもう一つの目的は皆が接種することで地域の病気にかかりやすい人たちを守るということです。接種率が向上することで社会に病気が流行することを防ぐことができます。
このようなワクチンのはたらきを集団免疫と呼びます。ワクチン接種が難しい赤ちゃんや妊婦さん、高齢者への流行を抑止することができます。以前は大きな流行を繰り返していた麻疹(はしか)が、皆がワクチンを接種することで減少し、国内においては平成27年に排除状態になったことは記憶に新しいところです。ワクチンで予防可能な病気(VaccinePreventableDiseases:VPD)は積極的にワクチン接種で防いでゆきましょう。

生後2か月を迎えたらワクチンデビューを

医療の発達した日本でも毎年多くの子どもたちがワクチンで予防できるはずの病気(VPD)に感染して重い後遺症で苦しんだり、命を落としたりしています。特に生後6か月を過ぎるとお母さんからもらった抗体が減少して病気にかかりやすくなります。それぞれのワクチンが接種可能な年齢に達したらできるだけ速やかに接種を開始すべきです。

当院が推奨するワクチンスケジュール

乳児期には接種すべきワクチンが非常に多く、スケジュールを組むのが大変です。赤ちゃんが生まれたらできるだけ早くご相談下さい。
当院が行っているワクチンスケジュールの一例を示します。下記スケジュールを基本に任意ワクチンや同時接種の希望の有無を考慮して適切な時期にワクチン接種が完了できるよう個別にスケジュールを調整しています。

ワクチンで予防可能な病気(VPD)とワクチン

ヒブワクチン・肺炎球菌ワクチン(定期接種)

乳幼児期にかかりやすい細菌性髄膜炎や敗血症の予防ワクチンです。ヒブ(インフルエンザ菌B型)、肺炎球菌には抗生物質が効きにくいものが多く、治療が困難です。
両ワクチン導入前、国内においても年間1,000人程度の子どもたちが重篤な細菌性髄膜炎に罹患し、一部の子は命を落としていました。また回復後も多くの子どもが後遺症を残しました。両ワクチンの接種率が向上した現在、重篤なヒブ感染症、肺炎球菌感染症は減少しています(2014年以降ヒブ髄膜炎の届け出は0件になりました。重症肺炎球菌感染症は約4割減少しました)。
ただ、細菌が消滅したわけではありませんので接種をしなければこれらの病気のリスクがあります。

推奨される接種スケジュール

生後6か月を超えると感染リスクが高まるため生後2か月を超えたらできるだけ速やかにワクチン接種を開始します。初回接種は3回、生後6か月までに3回の接種を済ませましょう。1歳を超えたらできるだけ速やかに追加接種を済ませます。

四種混合ワクチン(定期接種)

百日咳菌、破傷風菌、ジフテリア菌、ポリオウイルスの混合ワクチンです。
百日咳は近年、年長児や成人の感染が増加し、年間1万人くらいの方が発症していると考えられています。ただ成人の場合、咳が長引く程度で百日咳と気が付かない場合も少なくありません。そのような方を介して赤ちゃんが感染してしまうことが問題になっています。咳が出るときはあまり赤ちゃんに近づかないで下さい。赤ちゃんが罹患すると重篤な呼吸困難や脳症の原因となる場合があります。

ポリオ(急性灰白随炎)はワクチン導入以前、国内においても大き流行が認められていました。ポリオウイルスに感染すると感染者の一部は手足に麻痺が生じます。この麻痺が一生の後遺症として残ることがあります。またその一部の人が、数十年後に突然、疲労、痛み、筋力低下などに悩まされることがあり、これはポストポリオ症候群(PPS)と呼ばれています。世界中でポリオワクチンが接種され、ポリオの感染者は減少しました。日本においても30年くらい前からポリオの野生株による感染はありません。しかしアフリカの一部の国では依然として野生株による感染者が発生しています。これらの国からポリオウイルスが持ち込まれる可能性があり、ワクチンを接種することは重要です。2012年9月からポリオワクチンは生ワクチンの経口接種から、現在の不活化ワクチンに変更されました。まれに(70万接種に1人位)認められていた生ワクチン接種後の麻痺(VAPP)は、現在の不活化ワクチンでは発生することはありません。

推奨される接種スケジュール

生後3か月からワクチン接種が可能です。特に百日咳の感染リスクが高いために生後3か月を過ぎたらできるだけ速やかに接種を開始します。初回接種は3回です。初回接種完了後、6か月以上間隔をあけて追加接種を行います。当院ではヒブや肺炎球菌の追加接種と一緒に生後12~13か月の接種を推奨しています。

B型肝炎ワクチン(28年4月以降出生した児より定期接種)

小児、成人を合わせて国内で毎年2万人程度が感染していると考えられています。B型肝炎ウイルスに罹患すると軽い風邪程度の症状の場合もありますが、急激に増悪した場合には生命の危険があります(劇症肝炎)。慢性に経過した場合は肝硬変、肝臓がんの原因となります。また、感染後ウイルスがからだに残って(キャリア化)周囲のひとや、さらに次の世代に感染を広げてしまう可能性があります。特に乳幼児期にB型肝炎に感染してしまった場合にはこのキャリア化のリスクが高くなります。B型肝炎ウイルスにはいくつかの種類がありますが、最近は海外から遺伝子型Aと言う種類のB型肝炎ウイルスが持ち込まれて、成人においてもキャリア化するケースが増えてきました。
以前はお母さんがウイルスを保有していると出産時に血液を介して赤ちゃんが罹患すると考えられていました。現在は血液以外の体液(汗や涙、唾液、精液など)を介して母親以外の人との接触でも感染するリスクがあることが確認されています。保育園など集団生活の場でも感染するリスクがあります。

推奨される接種スケジュール

平成28年4月以降出生した児を対象にB型肝炎ワクチンは定期接種となりました。それ以前に出生した方に関しては任意接種として接種する必要があります。
B型肝炎ワクチンは生後どの年齢からでも接種を開始することができます。当院では生後2か月からヒブ、肺炎球菌、ロタウイルスワクチンとの同時接種を推奨します。初回接種2回、その後4~5か月の間隔をあけて追加接種を行います(定期接種として接種する場合は1歳のお誕生日までに3回の接種を完了する必要があります)。

ロタウイルスワクチン(任意接種)

ロタウイルスは乳幼児の胃腸炎の主な原因です。嘔吐、下痢、発熱などの症状を認めます。冬から春にかけて流行し、「白っぽい下痢」、「酸臭の下痢」としてよく知られています。世界では年間約53万人の子どもたちが命を落としているという報告があります。日本でも6歳未満の小児のうち年間約80万人が外来受診していると予想され、うち10%程度が脱水をきたし、入院治療を要するケースも少なくありません。脳炎や腸重積症、腎不全などの重篤な合併症が存在するのも特徴です。仮に重症化しなくても嘔吐や下痢が長期間持続するため患者と介護する保護者の負担も大きい病気です。ロタウイルスは伝染力が非常に強く、感染者の便から数週間から1か月程度排出されます。
ロタウイルスワクチンは現在2種類が存在しています(ロタリックスとロタテック)。どちらのワクチンも有効率は非常に高く、80%以上の確率で感染を防止し、90%以上の確率で重症化を防ぐと予想されます。何れも生ワクチンで経口接種します。両者の特徴は以下のとおりです。

ロタテック:3回接種。対応するウイルス株は5種類で、より多くの種類のロタウイルスに対して抗体を獲得することができます。
ロタリックス:2回接種。対応するウイルス株は1種類ですが、それ以外の株に対しても発症を抑えることができます。2回の接種で済むため短期間で抗体を獲得することができます。

ロタウイルスワクチンの接種後10%程度の確率で下痢が認められます。ロタウイルスワクチンが初めて使用された際、腸重積症の報告が増加しました。現在使用されているものとは全く別のワクチンであり、ロタリックス、ロタテックに関しては腸重積症の患者が有意差をもって増加したとの報告はありません。ただ、ロタウイルスワクチンを使用する際には、有効性とともに腸重積症の症状(激しく間欠的な啼泣、嘔吐、血便)を理解して子どもたちの体調変化に気を配る必要があるでしょう。ワクチン使用後、特に1週間位は体調の変化に気をつけて下さい。

推奨される接種スケジュール

生後6週以降から接種が可能となりますが、当院では生後2か月からヒブ、肺炎球菌、B型肝炎ワクチンとの同時接種を推奨しています。生後14週6日までに初回接種を開始する必要があります。

BCG(定期接種)とコッホ現象

結核菌は患者の咳などから飛沫感染します。国内では毎年2万人以上が結核に感染しいると考えられます。国内における結核の罹患率はアメリカの約5倍で、以前に比べて結核患者は減少したとはいえ依然として注意を要する感染症です。
小児が感染すると時に重篤な肺結核、髄膜炎を発症することがあります。
BCGは細い9本の針を皮膚に押しつけるスタンプ方式の予防接種です。接種後2~3週間頃から針跡が赤く、ぽつぽつと腫れて膿が出ることもありますが、数か月で自然に治ります。このような通常の反応よりも早く、接種後3~10日以内に針跡が強く腫れたり膿んだりするようなら、接種前から結核に感染していた可能性があります(コッホ現象)。
あわてずに数日以内にワクチン接種をした病院を受診してください。

推奨される接種スケジュール

赤ちゃんの結核感染のリスクはあまり高くありませんからヒブ、肺炎球菌、四種混合ワクチンやロタウイルスワクチンなどを優先的に接種し、これらのワクチン接種がひと段落した生後5か月から7か月頃の接種がお勧めです。

MR(麻しん風しん混合)ワクチン(定期接種)

麻しんは「はしか」と呼ばれるウイルス感染症です。約10~12日の潜伏期の後に発熱(一般的に39度以上の高熱)、咳、鼻汁といった症状を認めます。4日程度で少し熱が下がるのですが、再び高熱が出現(2峰性の発熱)し同頃に体に発疹と紅斑が出現します。
体の発疹が出現する少し前に頬の粘膜に白色のポツポツとした発疹を認めることがあります(コプリック斑)。患者の3割が、合併症を起こすとされ、多いのは肺炎や中耳炎です。また1,000人に1人が脳炎を起こし後遺症が残り、死に至ることもあります。また、10万人に1人くらいというまれなケースですが、感染後、数年から10年ほど経って、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)と呼ばれる脳炎を発症し、知的障害や運動障害が進行していくことも報告されています。
伝染力が非常に強いのも麻しんの特徴です。空気感染し、電車の中や、職場など同じ空間に麻しんの感染者がいるだけで感染する可能性があります。その伝染力はインフルエンザをも大きく上回ります。
2015年、WHOにより日本は麻しんの排除状態にあることが確認されました。
しかし、2016年、旅行者により海外から持ち込まれた麻しんが関西や千葉県で大流行したのは記憶に新しいところです。

風しんは2~3週間の潜伏期の後に発熱や発疹、リンパ節腫脹を認めるウイルス感染症です。患者さんの咳などから飛沫感染します。症状は比較的かるく予後は良い感染症ですが、まれに血小板減少性紫斑病、脳症などを合併することがあります。2000人から5000人に1人くらいの割合でこれらの合併症が発生すると言われ、2013年の風しん流行時には国内で13人の風しん脳炎、64人の血小板減少性紫斑病が報告されました。
妊娠20週頃までの妊婦さんが感染すると出生児が難聴、先天性心疾患、白内障、発達障害をきたす場合があります。これを先天性風疹症候群(CRS)と言います。2013年の風疹の大流行の後、CRSの赤ちゃんが急増しました。2013年には32名のCRSの赤ちゃんが報告されいています(例年のCRSの発症数の報告は数名程度です)。

推奨される接種スケジュール

MR(麻しん風しん混合)ワクチンで予防します。ワクチンを接種しておけば、かかったとしても重症になることはまずありません。定期接種では1歳と小学校入学前に2回受けます。ただし、地域で流行の懸念がある場合は生後6か月からの接種をお勧めします(1歳未満の接種は任意接種となります)。
成人でも2回のMRワクチンが済んでいない場合は、ぜひ接種をご検討ください(任意接種。横浜市では公費による助成制度が活用できる場合があります。ご相談ください)。

水痘ワクチン(定期接種)

水痘(みずぼうそう)は水痘帯状疱疹ウイルスによって発症します。感染力が非常に強く、ワクチンを接種しないと5歳までに約8割の小児が感染するといわれます。2~3週間の潜伏期の後に、38度台程度の発熱、発疹(赤みを伴う丘疹、水疱)を認めます。発疹には強い痒みを伴います。発症2~3日程度で解熱し、1週間程度で発疹は痂皮(黒いかさぶた)になり治癒します。
健康な小児では比較的軽症で済みますが、成人では時に重症化して死に至る場合もあります。合併症には肺炎、心膜炎、髄膜炎、血小板減少性紫斑病などがあります。また皮膚を搔爬してしまうと伝染性膿痂疹(とびひ)など二次感染を起こす場合があります。
平成26年10月に水痘ワクチンが定期接種化され多くの子どもたちがワクチンを接種するようになりました。それまでは日本国内で年間100万人くらいいると予想された患者数は定期接種導入後劇的に減少しました。

帯状疱疹もまた、水痘帯状疱疹ウイルスが原因で発症します。帯状疱疹とは、体の片側に強い痛みと痒みを伴う発疹が出現する病気です。時に痛みが長期間に及ぶことがあります(帯状疱疹後神経痛)。水痘に罹患するとウイルスは完全に排除されることはなく、一部は私たちの神経節という場所に潜伏し続けます。
水痘の既感染者が、ストレス、疲労や加齢、特定の病気の治療を受けて、水痘帯状疱疹ウイルスに対する抵抗力が落ちると、潜伏していたウイルスが再び活性化して帯状疱疹を引き起こします。
帯状疱疹は抗体が維持されていれば、仮にウイルスが神経節の中に残っていても発症しません。これまでは毎年多くのひとが水痘に罹患していましたから、知らぬ間に水痘の患者と接触することで免疫力が高まり(追加免疫)帯状疱疹を発症することも防がれていました。子どもたちと多く接触する保育園の先生には帯状疱疹が少ないというのはよく知られている話です。
ただし、今後水痘の患者が減少するとこの追加免疫を得ることができなくなり、水痘の既感染者の中に帯状疱疹の発症率が増加すると思われます。帯状疱疹を予防するには、まず水痘に罹患しないようにしっかりとワクチンで予防することが最も重要です。

推奨される接種スケジュール

水痘ワクチンは2回接種します。定期接種の対象年齢は1歳と2歳です。1歳をすぎたらできるだけ速やかに初回接種を済ませて(当院の推奨はMRワクチン、おたふくかぜワクチンと一緒に)、3か月以上経過したらできるだけ速やかに2回目を接種します。
※定期接種の機会を逃してしまった場合も任意接種として合計2回の接種をお勧めします。

おたふくかぜワクチン(任意接種)

おたふくかぜはムンプスウイルスによる感染症です。日本では毎年約60万人が発症しています。軽症の場合が多いのですが、重い合併症を引き起こす場合があります。2~3週間の潜伏期の後に、両側あるいは片側の耳下腺や顎下腺が腫れます。腫れと同じ頃から発熱を認めますが、時に発熱を伴わないこともあります。この症状は起こる場合と、起こらない場合があります。
発症から5日間が経過し、全身状態が良好になるまでは出席停止となります。ムンプスウイルスに感染しても症状が出ない(不顕性感染)場合もあります。
おたふくかぜには多くの合併症があります。約50人に1人の割合で無菌性髄膜炎が起こります。症状は発熱、強い頭痛、嘔吐です。約1,000人に1人の割合で感音性難聴を発症します。片側性、両側性の場合があり、発症してしまうと聴力の回復は困難です。その他、精巣炎、卵巣炎、膵炎などその合併症は様々です。

推奨される接種スケジュール

多くの国では2回の定期接種が行われています。1回の接種では効果は不十分で、当院でも2回接種をお勧めしています。1歳を過ぎたらできるだけ速やかに初回接種を済ませて(MRワクチン、水痘ワクチンと同時)、3~5歳頃に2回目の接種を行います。遅くとも就学前までに2回の接種を完了します。

日本脳炎ワクチン

日本脳炎は蚊によって媒介されるウイルス感染症です。日本脳炎ウイルスはブタの体内で増殖して、ブタを刺した蚊に人が刺されることで感染します。日本脳炎ウイルスは日本をはじめ、熱帯、亜熱帯アジア地域、韓国やオーストラリアの一部の地域などにも存在します。世界で毎年6万人以上の患者が発生し最大で2万人程度が命を落としていると推計されています。

日本国内においても以前は年間1,000人以上の感染者が発生していましたが、現在は年間発症数は10人未満、主に関西で発生しています。平成27年、千葉県で乳児の日本脳炎の発症が確認されました。
静岡県などでもブタの日本脳炎ウイルスの抗体保有率が高いことが知られており注意が必要です。平成28年4月より北海道においても日本脳炎ワクチンが定期接種となりました。
日本脳炎ウイルスに感染すると100人から1,000人に1人が発症すると考えられます。発症すると急性脳炎となり高熱、頭痛、嘔吐、意識障害、けいれん等の症状を示します。発症した際の致死率は20~40%。生存者の40~70%に後遺症を残すと言われ、特に幼少児や高齢者では重症化のリスクが高くなります。

推奨される接種スケジュール

3歳からの接種が一般的ですが、感染のリスクが高い地域などでは生後6か月から接種が可能です。1~4週間隔で2回、2回目の約1年後に3回目を接種します。3回の接種で基礎免疫をつけたことになります。9~12歳に4回目の接種を行います。

インフルエンザワクチン(任意接種)

インフルエンザの主な症状は高熱、頭痛や咽頭痛、関節痛、咳や鼻汁です。発熱は無治療ではだいたい5日間くらい続きます。感染してから症状が現れるまでの潜伏期はだいたい2~3日程度と考えられます。
注意すべき合併症は肺炎と脳炎・脳症です。
意識障害、痙攣、異常行動(奇声をあげる、意味のわからない発言や行動など)の症状がある場合には直ちに受診が必要です。抗インフルエンザ薬(タミフルなど)と異常行動の関連が疑われましたが、現在はインフルエンザ感染自体が異常行動の原因と考えられています。発熱が続いている間は抗インフルエンザ薬の使用の有無にかかわらず、子どもを一人にせず見守ってあげてください。
迅速診断キットで診断が可能です。十分にウイルスが増殖していないと検査が陽性になりません。だいたい発熱後6時間で5割程度、12時間で8割程度が陽性になります。
抗インフルエンザ薬はインフルエンザウイルスの増殖を抑えて解熱までの期間を短縮する、合併症の発症を抑制する効果が期待されます。現在、使用可能な抗インフルエンザ薬には以下のものがあります。症状が改善しても途中で使用を中止することなく医師の指示通り最後まで使用することが大切です。発熱がつらい場合は解熱剤を使用します。小児の場合は必ずアセトアミノフェンが主成分の解熱剤(アンヒバ座薬やカロナールなど)を使用します。

抗インフルエンザ薬の種類
  • 内服薬
    タミフル(1日2回5日間内服します)
  • 吸入薬
    ・リレンザ(1日2回5日間吸入します)
    ・イナビル(1回吸入で効果が持続します)
  • 注射薬
    ピアクタ(1回注射で効果が持続します)
出席停止期間

インフルエンザに罹患した場合、学校や保育園などを何日休まなければならないかは、学校保健安全法という法律で定められています。
「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで。」

推奨される接種スケジュール

インフルエンザの予防にはワクチン接種が大切です。集団生活をしている場合、ぜん息など基礎疾患がある場合、ご家族に小さなお子様や妊娠中の方がいる場合には積極的にワクチン接種を済ませましょう。インフルエンザワクチンは生後6か月から接種可能です。13歳未満は2回接種、それ以上の方は1回接種です。妊娠中でも接種可能で母親がワクチンを接種すると生まれた赤ちゃんにも効果が期待できます。ワクチンの効果が現れるのは規定の回数の接種が完了してからだいたい2週間後からです。毎年10月頃から接種が可能となりますからできるだけ速やかに接種を開始し、遅くとも12月上旬までには接種を完了します。

髄膜炎菌ワクチン(任意接種)

乳幼児に多い細菌性髄膜炎菌の原因菌はヒブ(インフルエンザ菌B型)、肺炎球菌です。一方、学童期以降の細菌性髄膜炎の原因菌として重要なのが髄膜炎菌です。世界では毎年50万人が髄膜炎菌感染症を発症し、5万人が死亡していると推定されています。途上国以外でもアメリカやイギリス、オーストラリアなどでも多くの報告があります。国内での発症はこれらの国に比べると多くはありませんが、高校の運動部の寮で集団発生したケースなどがあります。発症した場合の死亡率は5〜10%と高率で24時間以内に命を落とす場合があるなど進行が非常に急速なのも特長です。

推奨される接種スケジュール

日本ではメナクトラというワクチンが接種可能です。髄膜炎菌には複数の株が存在します。このうち血清型A、B、C、Y、W-135が髄膜炎の原因となります。メナクトラはこのうち4種類の抗原(血清型A、C、Y、W-135)を含みます。
メナクトラは1回接種で2歳から接種が可能です。海外へ長期留学する場合や、高校や大学で寮生活をする場合などは接種が勧められます。

ヒトパピローマウイルスワクチン

子宮頸がんの95%以上は、発がん性のヒトパピローマウイルス(HPV)が持続感染することが契機で発症すると言われています。HPVの子宮頸部への感染はほとんどが性的接触によるものです。HPVに感染すること自体は特別のことではなく、性交渉の経験がある女性であれば誰でも感染する可能性がありますが感染から子宮頸がんまで至るケースは稀です。平成23年、国内において11,378人が子宮頸がんを発症し、2,737人が死亡しています。また、死に至らなくてもごく初期のがん以外は、子宮摘出になる可能性がありその後の妊娠や出産に影響します。
尖圭コンジローマは、非発癌性HPV感染によって生じる男性、女性の生殖器にできるいぼです。稀に産道で感染して児の気道にいぼが発生し再発を繰り返して気道閉塞をきたす場合があります。
国内では平成25年4月にHPVワクチンが定期接種化されました。その後、ワクチン接種後の慢性疼痛と運動障害の報告が複数あり、平成25年6月に厚生労働省は「積極的な接種勧奨の一時中止」を決定しました。
海外では多くの国でHPVワクチンは定期接種として実施され、HPVの感染率が低下したことが報告されています。オーストラリアでは現在、12~13歳の男女に学校接種が行われています。アメリカでは2015年から従来より効果の高い新しいHPVワクチンが導入され11~12歳の男女に定期接種として実施されています。

推奨される接種スケジュール

中学1年生から接種が可能です。平成25年6月より「積極的な接種勧奨の一時中止」が決定されています。接種希望の場合はご相談ください。