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新しいRSウイルスワクチンについて(生まれてくる赤ちゃんのために妊婦さんが接種するワクチン)

2024年1月にRSウイルスワクチン(妊婦がワクチンを接種することで、生まれてくる赤ちゃんをRSウイルスから守るためのワクチン)が承認されました。接種対象は妊娠24週から36週の方。ワクチンは1回接種です。
2024年6月からぽっけ、あっぷりけでも接種が可能になるように準備をしています。
詳細が決まりましたらお知らせします。

RSウイルス感染症とは
RS ウイルスは世界中に広く分布しており、生後 1 歳までに50%以上が、2 歳までにほぼ 100%が RS ウイルスに感染します。乳幼児における肺炎の約 50%、細気管支炎の 50~90%がRS ウイルス感染症によるとされています。症状は感冒様症状から下気道感染に至るまで様々ですが、特に生後6 か月未満で感染すると重症化することが非常に多いです。新生児や乳児早期に感染すると無呼吸や急性脳症を合併することも少なくありません。後遺症として反復性喘鳴(気管支喘息)があります 。
日本では、毎年約12 万~14 万人の2 歳未満の乳幼児がRS ウイルス感染症と診断され、約 4 分の1(約3万人)が入院を必要とすると推定されていますが、有効な治療薬はありません 。

RSウイルスワクチンについて
これまでもシナジスという注射薬(ワクチンではない)が主に早産児や心臓に病気のある赤ちゃんに接種されてきました。ただしRS ウイルス感染による乳児の入院は、基礎疾患を持たない正期産児の場合も多く 、特に生後 2 か月頃までに感染すると重症化のリスクが非常に高いため、生後早期から予防策が必要とされていました。
こうした疾患の特性から、RS ウイルスワクチンは、国による開発優先度の高いワクチンに指定され、承認が待ち望まれていました。

今回接種が開始されるRSウイルスワクチンは承認前の臨床試験において、重度のRS ウイルス下気道感染症に対して生後 90 日で81.8%、生後 180 日で 69.4%有効でした。

私たち小児科医は咳や喘鳴がつらく、時に入院を要するRSウイルス感染症の赤ちゃんをたくさん診療しています。このワクチンの普及で少しでもRSウイルス感染症で辛い思いをする赤ちゃんが減ることを期待しています。もうすぐ新しい家族を迎える多くの妊婦さんに接種してもらいたいワクチンです。