よくある質問

2024.10.02更新

フルミストは2024年10月に発売された新しいインフルエンザワクチンです(海外では以前から使用されて実績があります)。従来のインフルエンザワクチンに置き換わる訳ではなく、患者さん毎に選択して接種することになります(従来のインフルエンザ不活化ワクチンと、フルミストを両方接種する必要はありません)。対象年齢は2歳から13歳未満になります。

フルミストはインフルエンザウイルスを弱らせて(弱毒化して)ワクチンとして用いる弱毒生ワクチンです。他に弱毒生ワクチンとしては麻疹・風疹ワクチン、水痘ワクチン、おたふくかぜワクチンなどがあります。これらのワクチンと同様に接種後数日から1週間程度の間にインフルエンザ様の症状(鼻汁や頭痛、喉の痛みなど)を認める場合があります。

生ワクチンの特性上、免疫機能に異常がある疾患に罹患している方、免疫抑制をきたす治療を継続中の方、妊婦の方は接種ができません。
フルミストと従来のインフルエンザワクチの効果はほぼ同等と考えられています。

従来のインフルエンザワクチンとは異なり鼻に少量の液体を噴霧します。また従来のワクチンは13歳未満は2回接種ですが、フルミストは1回で接種が完了します。これまで注射が苦手でインフルエンザワクチンが接種できなかった方、来院回数を減らしたい方に選択してもらいたいワクチンです。
※ ただし、噴霧用の容器が注射器のような形をしているためお子さんによっては容器の形状や鼻に噴霧するというこれまでに経験のない医療行為に怖がってしまう子もいるかもしれません。投与量は左右の鼻に0.1mlずつとごく少量ですからしみたり不快な違和感はあまりないと思います。

フルミスト接種要項
対象年齢は2歳から18歳までの方(接種時に19歳未満)。1回接種
※ 同シーズンに従来のインフルエンザ不活化ワクチンを接種予定の方、接種を済ませた方は必要がありません。

接種不適当者:含有成分であるゼラチンに対して重篤なアレルギー症状の既往がある方、免疫機能に異常がある疾患に罹患している方、免疫抑制をきたす治療を継続中の方、妊娠の可能性のある方。該当する方は従来のインフルエンザ不活化ワクチンを接種してください。

当院が考える接種を推奨しない方:免疫機能に異常がある疾患に罹患している方や免疫抑制をきたす治療を継続中の方が同居している場合、妊娠中の女性が同居している場合。授乳中の方。既に本年度従来のインフルエンザ不活化ワクチンで接種を開始している方や完了している方。

投稿者: ぽっけキッズクリニック

2024.09.08更新

便秘とは長い間便が出なかったり、排便時に痛がってしまったり、時にお尻が切れてしまうような状態です。治療が必要な場合を「便秘症」と言います。
便秘は乳児期後半(離乳食が本格化した頃)と幼児(トイレトレーニングを開始した頃)に多く発症します。放置していると徐々に症状が悪化してしまいます。便秘症と診断されたらしっかり治療しましょう。

このような症状が認めらたら便秘が疑われます。
* 便の回数が週に3回未満、5日以上排便がない状態が時々ある。
* いきんでいるのになかなか便が出ない、苦しくて泣いてしまう。排便時にお尻から出血がある。
* 1日に何度も排便があるがいつも少量でコロコロの便。いつもお尻に粘土のような便が付着している。

便秘を放置すると難治化・重症化する(便秘の悪循環)
便秘は、放置しておくと難治化・重症化します。その理由は以下のように考えられています。
1. 硬い便を出して肛門が切れ、痛い思いをすると、2~3歳のお子さんは、次の排便を我慢してしまったり、肛門の筋肉を締めながら息むようになります。極端な例では、両足を X形にクロスして便を我慢します。便はしばらく我慢していると、出たくなくなりますから、そのまま大腸に便が残ります。
2. 大腸は、便から水分を吸収するのが仕事ですので、便 はどんどん硬くなり、いよいよ出る時には非常な痛みをともなうことになり、お子さん は益々便を我慢するようになり、悪循環となります。
3. そのようなことが続いていると、常に便が大腸にある状態が続くことになり、腸がだんだん鈍感になってしまいます。便秘でない人であれば、直腸に便が溜まると便意が生じる(ウンチをしたくなること)のですが、腸が鈍感になって便意がおこりにくくなる結果、益々便が長 く腸にとどまって硬くなってしまいます。
※ 毎日パンツやお尻ががべっとりしたうんちで汚れてしまう幼児、小学生が「うちの子はずっと下痢が続いている」あるいは「うちの子はうんちが出るのを教えてくれない」と言って受診することがあります。仮に毎日便が出ていてもこのような状態も便秘の可能性があります。しかもこのような状態はかなり発症から経過した重症の便秘です。腸が多量の便で満たされてしまって肛門が緩んでしまい、便が漏れ出してしまっているのです。勝手に肛門が緩んでいるので本人には便意がありませんからトイレに行くこともご家族に教えることもできません。このような症状が思い当たるなら早期に受診してあげてください。

トイレトレーニングについて
トレーニングを始めたばかりの頃はトイレで排便が出来たことを褒めるのではなく、お母さんと一緒にトイレに行けたこと、(便が出なくても)短時間で良いのでトイレに座れたことなどをほめてあげて下さい。好きなおもちゃを一つだけトイレに置いてあげたり、トイレに座れたら数ページだけ絵本を読んであげたりも良いかもしれません。逆に便があるまでずっと便座に座らせてしまったり、パンツにした時に叱ってしまうと子どもは排便を怖がるようになりトイレに行きたがらなくなったり、便秘が悪化する場合があります。便秘がある場合にはトイレトレーニングはせずにまずは便秘の治療を優先してください。

食事について
十分な食事量がないと便が出にくくなります。慢性的に便秘が続く場合は適切な食事量が確保できていてしっかり体重が増えているか確認する必要があります。特に乳児期に排便回数が少ない場合は母乳やミルク不足の大切なサインの場合が少なくありません。
食物繊維の多い食事が排便には大切です。葉物の野菜や根菜類などは食物繊維を多く含んでいます。幼児の場合はあまり食物繊維だけにこだわらずに、まずはご飯や野菜、蛋白質などをバランスよく食べられるように品目を増やすように練習しましょう。乳製品や酸味のある果物なども便を出しやすくしてくれます。

便秘の治療(便塞栓の解消と薬物治療)について
便秘の悪循環の結果、多量の便が腸に溜まっているお子さんではいきなり薬物治療を行なっても効果がありません。まずは浣腸や摘便(医師や看護師が便をかき出すこと)を行なって便の詰まり(便塞栓)を解消しなければいけません。場合によってしばらくの間、毎日浣腸を要する場合があります。便塞栓が解消したら便秘が再燃しないように薬物治療を継続します。
便秘の治療薬(下剤)は「便が硬くなりにくくする薬」と、「腸を刺激して便を出しやすくする薬』に分類されます。小児に処方される薬は副作用もほとんどなく、習慣性もありませんから安心して使用することができます。便秘を放置すると悪化してしまったり、トイレに行くことを怖がるようになってしまうため生活習慣の改善と薬物療法を組み合わせてしっかりと治療することが重要です。

当院で主に使用している治療薬
* 浸透圧性下剤「便を硬くしないための薬」(モニラック、酸化マグネシウム、モビコール)
* 刺激性下剤「腸を刺激して排便を促す」(ラキソベロン)
* 座薬(テレミンソフト)
* グリセリン浣腸

投稿者: ぽっけキッズクリニック

2024.09.07更新

小児も成人と同様に新型コロナウイルス(COVID-19)に感染します。ただし、患者数としては成人に比して少なめで、小児でも乳幼児より小学校高学年や中学生の方が多い印象です。

重症度と症状
新型コロナウイルス感染症の症状や重症度は、流行している株によって多少異なりますが、成人に比して小児の方が比較的軽症の場合が多いです。
症状は発熱や咽頭痛(喉の痛み)、咳嗽などが主ですが、時に嘔吐や腹痛を呈することもあります。インフルエンザに比較すると有熱期間はやや短く(概ね48時間から72時間程度)、咳嗽などもあまり強くありません。それに比して喉の痛みを訴える患者さんが多い印象です。新型コロナウイルスの流行が始まった頃は小児でも肺炎を呈するお子さんが少なくなかったのですが、最近はほとんど見かけなくなっています。成人で時に問題になる味覚異常もあまりありません。
このように最近の新型コロナウイルス感染症は小児においては他のウイルス感染症とあまり大きな違いがなく、過度に怖がる病気ではありませんが、もちろん重症化しないわけではありません。特に新生児や乳児期早期に感染した場合、心臓などに基礎疾患がある場合などは注意が必要です。

後遺症(ロングCOVID)について
小児でもCOVID-19の後遺症、いわゆるロングCOVIDが報告されています。疲労感、集中力の低下、呼吸器症状などが数週間以上続く場合がありますが、成人に比べると発生率は低いとされています。

診断
インフルエンザと同様に、鼻腔から検体を採取して迅速検査で診断します。PCR検査も可能ですが、新型コロナウイルスが5類感染症に移行してからは検査結果が出るまでに時間がかかるために殆ど実施しなくなりました。
両親や兄妹がすでに新型コロナウイルスに感染しているなど、明確な接触歴が確認できる場合には検査を実施せず臨床症状から診断する場合があります。
ドラッグストアなどで検査キットが販売されていますからご自宅で検査を実施することもできます。この場合は発熱後概ね24時間くらい経過した頃に実施してみてください。あまり早期に検査を行った場合には陰性(偽陰性)になります。

治療
他のウイルス疾患と同様に対症療法が基本です。水分や栄養を十分にとって療養してください。解熱剤は市販のものや他の感染症と同様にアセトアミノフェンが利用可能です。
12歳以上では発症早期であれば抗ウイルス薬の使用も可能です。無治療でも48時間から72時間程度で解熱することが多いですから使用するメリットはインフルエンザに比べると高くはありませんが、発症初期から高熱で症状が強い場合、基礎疾患がある場合は検討しても良いでしょう。またウイルスの排出期間が短縮されるため、ある程度家族内感染のリスクを下げることも期待できます。

新型コロナウイルスのワクチンについて
新型コロナウイルスワクチンは生後6か月から接種可能です。新型コロナウイルスが家族内感染する場合、多くは成人や年齢の高い小児が罹患して乳幼児が家族から感染するケースが多いです。ですから、まずは両親や学童期の兄弟の接種を優先し、その後に(あるいは他の家族と一緒に)乳幼児の接種を検討してください。日本小児科学会ではすべての年齢の新型コロナウイルスワクチンの接種を推奨しています。
新型コロナウイルスワクチンの副反応は発熱や接種部位の腫れなどになります。頻度は他のワクチンとほぼ同等で成人が接種した場合より軽い場合が多く、発熱や腫れは仮に出現しても数日でおさまります。
新型コロナウイルスが5類感染症に移行したことに伴い、小児の新型コロナウイルスワクチンも任意接種(有料)になりました。接種を検討している場合はかかりつけ医と相談してください。
2024年9月現在、当院ではご希望の方に接種できるよう準備中です(任意接種)。

学校や保育園での感染対策
小児は学校や保育園などで集団生活を送ることが多く、感染のリスクが高まります。マスクの着用、手洗い、換気の徹底などの感染対策が重要です。マスクの着用に関しては2歳未満は非推奨、2歳以上でも運動時や登下校時、周りに人があまりいない場合などはマスクをする必要はありません。特に夏場は熱中症などのリスクが高まりますから状況に応じてマスクを使用してください。


(備考)新型コロナウイルス感染症における日本の変遷
1. 初期の感染拡大(2020年初頭)
2020年1月、日本で最初のCOVID-19感染者が確認され、中国・武漢からの帰国者やダイヤモンド・プリンセス号での集団感染が注目されました。初期の段階では、感染症の正体や対応がまだ明確でなく、全国的に緊急事態宣言や外出自粛要請が行われました。

2. 第1波から第3波まで(2020年〜2021年)
• 第1波(2020年4月頃):最初の大規模な感染拡大が始まり、東京や大阪を中心に感染が広がりました。この時期には全国で緊急事態宣言が発出され、学校の休校やテレワークの推奨、飲食店の休業要請が行われました。
• 第2波(2020年夏):政府による「Go To キャンペーン」などの経済振興策とともに、再び感染が拡大しました。この波では、若年層の感染が増加し、感染者数がさらに拡大しました。
• 第3波(2020年冬〜2021年初頭):冬季に入り、感染者数が急増し、医療機関の逼迫が問題視されました。この時期には再度の緊急事態宣言が発出され、特に医療体制の強化が求められました。

3. ワクチン接種の開始(2021年)
2021年2月から医療従事者へのワクチン接種が始まり、その後高齢者や一般市民への接種が進みました。ワクチンの普及により、重症化や死亡率が大幅に抑制され、感染状況は一定の安定を見せるようになりました。

4. デルタ株と第5波(2021年夏)
2021年夏にはデルタ株が日本で広がり、過去最大の感染者数を記録しました。この時期、ワクチン接種は進んでいましたが、感染力の強いデルタ株により感染拡大が抑えきれない状況が続きました。

5. オミクロン株と第6波以降(2021年末〜2022年)
2021年末からオミクロン株による第6波が始まりました。オミクロン株は感染力が非常に強いものの、重症化率はデルタ株よりも低く、これに伴い政府は規制を緩和し、経済活動の回復に向けた方針を取るようになりました。

6. 社会と経済の再開(2022年以降)
2022年からはワクチン接種が広く普及し、ブースター接種も進められ、社会は徐々に平常を取り戻し始めました。感染対策を継続しつつも、経済活動や国際交流が徐々に再開され、2023年5月にこれまでの感染症法における2類相当から5類に分類が変更されると大規模な規制がほとんど解除されました。

7. マスクや新たな生活様式の定着(2023年以降)
日本では、マスク着用や手洗いなどの感染対策が日常生活に浸透しました。感染状況が改善しても、多くの人が自主的にマスクを着用し、公共の場での衛生管理が習慣化しています。
これらの変遷を経て、日本はCOVID-19との共存を模索し、社会経済活動を再開させながら、引き続き感染対策を継続しています。

投稿者: ぽっけキッズクリニック

2024.09.05更新

小児のマイコプラズマ感染症は、マイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)という細菌の一種によって引き起こされる呼吸器感染症です。特に5歳から15歳くらいの学童期前後の子どもに多く見られ、学校や集団生活の場で流行しやすい傾向があります。

主な特徴と症状
* 潜伏期間:約1~3週間。
* 初期症状:発熱、喉の痛み、倦怠感、乾いた咳など風邪とよく似た症状が見られます。
* 進行した場合:乾性咳嗽(乾いた咳)が特徴的で、「長引く咳」の原因になります。夜間に咳が強くなったり、呼吸困難を引き起こすことがあります。
* 重症化:一部のケースでは肺炎に進行することがありますが、多くは無治療でも軽症のまま治癒します。肺炎を合併すると高熱が持続し、咳嗽が遷延、時に胸痛を伴うことなどがあります。
咳嗽が遷延する、咳嗽が強くなかなか解熱しない場合などは受診してください。

診断
診断は主に臨床症状に基づいて行われますが、血液検査やLAMP法という喉から細菌を採取する検査で診断します。発熱が持続して肺炎が疑われる場合にはレントゲン検査を実施します。

治療
軽症の場合には対症療法(痰を切る薬や解熱剤、症状に応じた治療)で治癒しますが、呼吸障害が強かったり肺炎のリスクがあると判断した場合には抗菌薬を処方します。小児では主にマクロライド系抗生物質(クラリスロマイシンやアジスロマイシンなど)を使用します。

感染予防
咳や飛沫を介して感染が広がるため、手洗いや咳エチケットの徹底が重要です。

投稿者: ぽっけキッズクリニック

2024.09.04更新

私たちの涙は常に産生されていて、目に潤いを与え清潔に保つ大切な働きがあります。
涙は涙道を通って鼻腔に排出されますが、生まれつき涙道の一部(鼻涙管)が細くてこの涙の循環が滞ってしまう赤ちゃんがいます。これを先天性鼻涙管閉塞症と言います。

先天性鼻涙管閉塞症の症状について
* いつも片目(時に両目)が涙でうるうるしている
* 生まれつき片目(時に両目)の目脂(目やに)が強い

症状は生まれてすぐから認められますから、生まれた産科で点眼などを処方されている場合も少なくないと思います。点眼で症状が改善しない場合、一度改善しても症状がすぐ再燃してしまう場合は眼科を受診してください。症状が軽症で受診を悩む場合などは一度当院にご相談をいただいても結構です。

赤ちゃんの目脂(目やに)の対処法
赤ちゃんの目脂(目やに)は鼻涙管閉塞症以外でも、さかさまつげ、風邪などに伴う結膜炎、また多少は普段特に原因がなくても認められます。多少の目脂は入浴の際に洗ってあげれば十分ですが、量が多い場合には以下のようにケアしてあげてください。
お湯で湿らせたガーゼなどで優しく拭ってあげてください。無理にこすり落とそうとするとまぶたや目を傷つけてしまいますから、目脂が溶けてから拭き取るようにしてください。

投稿者: ぽっけキッズクリニック

2024.09.04更新

あかちゃんのお尻や腰のあたりに、おしりの穴とは別に「くぼみがある」「シミのようなあざがある」「割れ目の線が真っ直ぐではなく大きく歪んでいる」などが気になる場合には、潜在性二分脊椎を疑う必要があります。ただし、おしりのくぼみなどは赤ちゃんによく見る症状です。多くの場合は問題はありませんのであまり心配しすぎないでください。
このような症状がある場合には当院にご相談をください。診察の結果、潜在性二分脊椎が疑われる場合には確定診断のための検査(MRIやエコー検査)を実施するためニ次医療機関へ紹介いたします。

(潜在性)二分脊椎の症状について
二分脊椎は胎児期に脊髄神経が作られる過程で問題があると発症します。
主な症状は下肢の運動障害、排尿・排便障害です。
* 歩行の遅れや異常、歩行時の痛みなど
* 夜尿や昼間の尿失禁、尿路感染症の反復など
* 慢性の便秘

投稿者: ぽっけキッズクリニック

2024.08.02更新

ChatGPTを活用したAIチャットを実装しました。

病気のことや診療のこと、お気軽に質問してみてください。ただ、まだ実装したばかりで回答できない質問も多いようです。AIが皆さんの質問から徐々に学習を行なって回答の精度が上がってゆきます。また、皆さんからいただいた質問は当方でもすべて確認していますので、AIの学習に反映させたり、ホームページ内のコンテンツを充実させたり活用させて頂きます。AIが回答できなかった質問にも学習が進むといずれ回答できるようになるでしょう。少し時間をおいてまた質問してみてください。お急ぎの場合は、ぽっけ・あっぷりけに受診の際に、またお電話にてご質問いただいても結構です。

最終的には診察と並列で、お子さんのサポーターとして信頼いただけるよう育てたいと考えています。

 

投稿者: ぽっけキッズクリニック

2024.07.31更新

早産児のフォローアップはしてもらえますか?
はい、可能です。

ぽっけ・あっぷりけキッズクリニックでは、各々感染症など一般の患者さんと診療時間を区別して早産児のフォローアップ、乳幼児健診、予防接種などを行なっています。適応のある乳児にはRSウイルスの予防(シナジス接種)も行なっています。

ご希望の方はお電話にてお気軽にご相談ください。

 

赤やんの授乳量や授乳頻度はどのように決めればいいですか?
生後3か月頃までは1から3時間おき、3か月以降は4時間おきくらいが目安です。ただ、個人差も大きいですから月齢を問わず「赤ちゃんが欲しがるときに、欲しがるだけ」が基本です。月齢が進むと徐々に授乳時間が開くはずです。
母乳は左右5〜10分くらいずつ。ミルクは容器に記載された量が目安になりますが、体重がしっかり増えていればあまりこの量を気にしなくても大丈夫です。
哺乳量に満足していれば哺乳後はすやすやお昼寝をする子が多いです。以下に列記するのは哺乳不足のサインです。思い当たる点がありましたらご相談ください。

哺乳不足のサインについて
・いつまでもおっぱいを離そうとしない。
・哺乳後もぐずってなかなかお昼寝をしない。
・月齢が進むにつれてむしろ授乳間隔が短くなってきた。
・体重があまり増えない。

思い当たる点がありましたらご相談ください。

 

授乳中の母親が食事に気を付けるべき食品はありますか?
まず避けてもらいたいのはアルコールやカフェイン(お母さんの気分転換に少量なら大丈夫です)。特に授乳前の摂取は控えてください。
食べすぎない方が良いのは脂質や糖質が極端に多い食品。インスタント食品や揚げ物、ケーキ、チョコレートなどです。またスパイスは母乳の風味や香りが変化するという説があります。
以前は母親が食べたものが赤ちゃんのアレルギーを発症させる可能性があると考えられていました。しかし今ではこれは誤っていることが証明されています。お母さんがバランスよく食事をすることは赤ちゃんにとってもとても大切です。

 

授乳中の母親が薬を服用してもよいですか?
多くの薬品は母乳に移行します。医師から処方を受ける際は必ず授乳中であることをお知らせください。薬局で購入するお薬に関しても薬剤師に相談して服用を決めてください。
もちろん服用しても授乳に差し支えないお薬もありますから、体調が悪い時は医師に相談してください。

 

新生児のおむつ替えの頻度や方法はどのようにすればよいですか?
新生児はおしっこを1日に15から20回くらい、うんちを数回から10回くらいします(母乳栄養の赤ちゃんの方がミルク栄養の赤ちゃんよりうんちの回数が多い傾向があります)。オムツはだいたい2〜3時間おきにかえてあげると良いと思います。月齢が進むと排尿や排便の回数が減ってゆきますから、おむつ換えの回数も減ります。

 

新生児の睡眠パターンや睡眠環境についてどのようなことに注意すればよいですか?
新生児は1〜2時間間隔で寝たり起きたりを繰り返します。乳児期早期には4時間間隔くらいで睡眠・覚醒を繰り返すようになり、1歳頃には8〜9時間くらい連続で眠るようになります。
うつ伏せ寝は赤ちゃんの突然死(SIDS)の危険があります。やわらかいベットやお布団も赤ちゃんの窒息の原因になりますから、あまり添い寝はせずにお母さんやお父さんと同室の赤ちゃん用のベットやお布団で寝かせるようにしてください。

 

乳幼児の発育や発達に適切な身体的活動は何ですか?
「乳幼児の生活はすべてが運動」といっても過言ではありません。基本的な体の動きや使い方を覚える大切な時期です。特別な運動や練習をする必要はありませんが、少しでも多く赤ちゃんや子供たちと触れ合う時間、遊ぶ時間を作ってあげてください。
幼児期になると徐々に運動能力も高まります。多様な動きが経験できるように様々な外遊びを体験させてあげてください。ただトレーニングではありませんから「楽しく遊ぶ」が基本です。

 

乳児や幼児の発熱の対処方法は何ですか?
子ども達はまだ免疫が未熟なために大人に比べてよく熱を出します。このような場合、こまめに水分補給を心がけて、適度に安静にすることが大切です。
発熱時の対処は「早く風邪を治す」ためではなく「発熱の期間を子ども達が少しでもリラックスして過ごせるように」するためのものだと思います。熱が急に上がってきた時は体や手足がガタガタ震えたり、顔色が悪かったり、手足が冷たかったりします。このような時は体や手足を温めてあげたり、お布団あどで調節してあげてください。逆に顔が赤くなりほんのり汗をかいているような時は、体が熱を逃がそうとしているタイミングです。このような時は冷たいものを飲ませてあげたり、氷枕など使ってあげるのも良いです。脇や首、足の付け根を冷やしてあげるのも効果的です。
解熱剤の使用に関しては、熱が高いからといってむやみに使う必要はありません。熱が高くて食事が取れない、ぐずって寝付くことができないなど、日常生活で子どもが困っている時が使いごろです。
入浴は子どもの体調を見て決めます。仮に熱があってもある程度食事や水分がとれて元気があるなら入浴させてあげてください。風邪をひいている時でも体を清潔にすることは大切ですし、蒸気で痰が排出でき鼻の通りも良くなりますから入浴させてあげたほうがよく体を休めることも期待できます。

発熱したら直ちに受診をする必要はありませんが、以下のような症状がある場合は速やかに受診してください。
・新生児期や乳児期早期(生後3か月以下)の高熱
・熱が3日以上下がらない
・咳や嘔吐を繰り返して、食事がとれない、寝ることができない
・極端に水分や食事の量が低下している。
・けいれんを起こした。

 

予防接種のスケジュールや必要性について教えてください。
子どもがかかる病気は風邪のように軽いものばかりではありません。一部は重篤な後遺症を残したり、時に命を落す場合もあります。ワクチンが開発されている病気はそのような重篤な症状を呈するものばかりです。ワクチンで予防可能な病気は積極的にワクチンで防ぎましょう。
https://www.pokkekids.com/vaccination/
ぽっけ・あっぷりけの予防接種の説明ページになります。参考にしてください。

投稿者: ぽっけキッズクリニック

2024.05.17更新

2024年1月にRSウイルスワクチン(妊婦がワクチンを接種することで、生まれてくる赤ちゃんをRSウイルスから守るためのワクチン)が承認されました。接種対象は妊娠24週から36週の方。ワクチンは1回接種です。
2024年6月からぽっけ、あっぷりけでも接種が可能になるように準備をしています。
詳細が決まりましたらお知らせします。

RSウイルス感染症とは
RS ウイルスは世界中に広く分布しており、生後 1 歳までに50%以上が、2 歳までにほぼ 100%が RS ウイルスに感染します。乳幼児における肺炎の約 50%、細気管支炎の 50~90%がRS ウイルス感染症によるとされています。症状は感冒様症状から下気道感染に至るまで様々ですが、特に生後6 か月未満で感染すると重症化することが非常に多いです。新生児や乳児早期に感染すると無呼吸や急性脳症を合併することも少なくありません。後遺症として反復性喘鳴(気管支喘息)があります 。
日本では、毎年約12 万~14 万人の2 歳未満の乳幼児がRS ウイルス感染症と診断され、約 4 分の1(約3万人)が入院を必要とすると推定されていますが、有効な治療薬はありません 。

RSウイルスワクチンについて
これまでもシナジスという注射薬(ワクチンではない)が主に早産児や心臓に病気のある赤ちゃんに接種されてきました。ただしRS ウイルス感染による乳児の入院は、基礎疾患を持たない正期産児の場合も多く 、特に生後 2 か月頃までに感染すると重症化のリスクが非常に高いため、生後早期から予防策が必要とされていました。
こうした疾患の特性から、RS ウイルスワクチンは、国による開発優先度の高いワクチンに指定され、承認が待ち望まれていました。

今回接種が開始されるRSウイルスワクチンは承認前の臨床試験において、重度のRS ウイルス下気道感染症に対して生後 90 日で81.8%、生後 180 日で 69.4%有効でした。

私たち小児科医は咳や喘鳴がつらく、時に入院を要するRSウイルス感染症の赤ちゃんをたくさん診療しています。このワクチンの普及で少しでもRSウイルス感染症で辛い思いをする赤ちゃんが減ることを期待しています。もうすぐ新しい家族を迎える多くの妊婦さんに接種してもらいたいワクチンです。

投稿者: ぽっけキッズクリニック

2024.04.12更新

RSウイルス・ヒトメタニューモウイルス感染症


●どんな病気?
RSウイルス感染症は、RSウイルスが呼吸器に感染することで発症します。これまで秋から冬にかけて流行すると言われてきましたが、近年春先から流行することが増えています。何度でも感染を繰り返しますが、多くは2歳までに初感染します。年長児、成人が感染した場合は軽い風邪症状程度(咳嗽が遷延します)の場合が多いのですが、赤ちゃんが感染した場合には細気管支炎や肺炎をきたし、喘鳴(のどからヒューヒュー・ゼイゼイと音がする)や呼吸困難に陥る可能性があります。細気管支炎の約7割がこのRSウイルス感染によると考えられます。


ヒトメタニューモウイルスもRSウイルスと概ね同様の症状を呈しますが、RSウイルスが主に新生児や乳児が注意すべき感染症なのに対して、ヒトメタニューモウイルスは幼児でも重症化することが少なくない感染症です。特に熱が高く、解熱まで時間がかかる場合は肺炎を合併している可能性が少なくありません。
両ウイルスともに患者の咳などでウイルスが飛び散って感染します(飛沫感染)。肺炎や細気管支炎になると、症状が次第に悪化して喘鳴、呼吸困難を認めます。未熟児、心臓の病気、喘息などの合併症がある場合には重症化のリスクが高いです。1週間程度の経過で症状は改善します。


●治療と感染予防
残念ながら両感染症の特効薬はありません。抗生剤も無効です。気管支拡張薬、去痰剤、吸入療法などを用いて対症療法を行います。自宅ではこまめに水分補給を行なって痰がつまらないように心がけてください。極端に機嫌が悪い時や、呼吸が荒く水分補給が困難な場合には様子をみることなく速やかに受診してください。
現在のところ両ウイルスに対するワクチンも存在しません。手洗いやうがいなど日常的な感染予防が重要になります。年長児や成人が感染した場合には多くは軽症です。「軽い風邪だから」と安心して、赤ちゃんに触れると赤ちゃんが重症化する場合があります。咳や微熱がある場合にはできる限り赤ちゃんには近づかず、室内でもマスクなどを使用してください。

投稿者: ぽっけキッズクリニック

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