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2024年の手足口病

地域で手足口病の乳幼児が増加しています。既に横浜市の警報レベルを上回っています。手足口病は例年夏に流行する感染症ですが、今年は流行の始まりが早く今後さらに感染が拡大する可能性があります。

今年はコクサッキーウイルスA6型の流行が確認されています。このウイルスの手足口病の特徴として、「通常の手足口病より高熱になりやすい、重篤化する可能性がある」「通常は手掌や足底に認められる発疹、水疱が全身に広がる」という特徴があります。
A6型はヘルパンギーナの原因ウイルスでもあります。全身の発疹が認められない場合はヘルパンギーナと診断されている場合もあるかと思います。また発熱より発疹が1日程度遅れて認められることが多いため「病初期にヘルパンギーナと診断されたものの、数日後に発疹が出現した」というケースも少なくないと思います。
多くの場合熱は2〜3日程度で解熱するかと思いますが、A6型による手足口病は重篤化することがあるため解熱に時間がかかったり、極端に食欲が低下する場合は受診してください。
手足口病もヘルパンギーナもウイルス感染ですから、抗菌薬は使用しません。食事や水分摂取を心がけて体調が戻るまで静養してください。発疹に対して軟膏などを使う必要はありませんが、体調が良ければ入浴などを行い患部を清潔にしてください。
感染経路は飛沫感染、(手足口病は)接触感染などになります。感染対策として手洗いやうがい、患児と同じ食べ物や飲み物に口をつけたりタオルなどの共用は控えてください。

 

ヘルパンギーナ
原因はコクサッキーウイルス(A16型、A6型、A10型など)です。高熱を伴うことが多いですが2〜3日で解熱します。咽頭(喉の奥のほう)に水疱がたくさん出来て痛みが強いです。これが原因で乳幼児の場合には食欲が大きく低下する場合があります。解熱して体調が良ければ登園は可能です。


主な症状
①発熱(急激に高熱を発することが多い)1〜4日程度
②口の奥のほうにできる水疱性口内炎



手足口病
原因はコクサッキーウイルス(A16型など)やエンテロウイルス(71型など)です。手や足の楕円形の小水泡、頬の裏側や舌に広がる水疱性の口内炎が特徴です。発熱は37度台から高熱まで流行しているウイルスの種類や株によって異なります。およそ2〜3日で解熱します。解熱後に食欲があり、体調が良ければ登園は可能ですが、しばらくは糞便などにウイルスが存在しますから、オムツ替えなどの場合には手洗いなどを丁寧に行って下さい。
 

主な症状
①発熱1~4日程度(微熱や発熱を認めない場合も多いです)
②手、足と口の中の粘膜に水疱性発疹をきたす