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斜頭症のヘルメット治療

頭のかたち外来(斜頭症・ヘルメット治療)
赤ちゃんの頭の形が気になる保護者さまへ向けて、ぽっけキッズクリニックでは「頭のかたち外来」を開設し、頭蓋形状矯正ヘルメット「BabyBand(ベビーバンド)」による治療をご提供しています。
「向き癖が強い」「後頭部が平らな気がする」「耳の位置が左右で違う」など、少しでも気になることがあれば、ヘルメット治療を希望されるかどうかにかかわらず、まずはお気軽にご相談ください。ご希望の方には3D撮影による診断を行います(保険診療)。

赤ちゃんの頭のかたちについて
赤ちゃんの頭のゆがみ(頭蓋変形)は、生後1か月ごろから見られることが多く、その多くは向き癖など外からの力によって生じる「位置的頭蓋変形症」です。子宮内や分娩時の圧迫、出生後に同じ向きで寝ている時間が長いことなどが主な原因とされ、特に首の傾き(斜頸)があるお子さまは向きを変えにくいため生じやすいといわれています。
まれに、頭蓋骨のつなぎ目(縫合線)が通常より早期に癒合してしまう「頭蓋骨縫合早期癒合症」が原因のこともあります(出生児の0.04〜0.1%程度)。この場合は手術が必要になることがあり、外見だけでは位置的な変形と区別がつかないこともあるため、自己判断はせず医療機関での診察をおすすめします。
頭のゆがみの3つのタイプ
● 斜頭症:後頭部の左右どちらかが平らになるタイプ。向き癖のあるお子さまに最も多く見られ、上から見ると平行四辺形のような形になります。進行すると耳の位置や額の突出に左右差が出ることもあります。
● 短頭症(絶壁頭):後頭部全体が平らになり、頭の前後の長さが短くなるタイプ。仰向けで過ごす時間が長いお子さまに多く見られます。
● 長頭症:頭が前後に長く、横幅が狭くなるタイプ。NICUで過ごされたお子さまなど、横向きの姿勢が続いた場合に見られやすいとされます。
複数のタイプが合併して見られることも少なくありません。
発生率と自然経過
国内の研究では、生後1か月の赤ちゃんの約半数に頭のゆがみが見られると報告されています(Miyabayashi H, et al. Journal of Clinical Medicine. 2022;11(7):1797)。生後6か月ごろから徐々に減少しますが、そのペースはゆるやかです。
軽度のゆがみは体位変換やタミータイム(うつ伏せ運動)で自然に目立たなくなることもありますが、重度のゆがみは自然経過では改善しにくいことも報告されています(Noto T, et al. Journal of Clinical Medicine. 2021;10(16):3531)。
頭のゆがみが与える影響
外力による変形が脳の成長や精神発達に大きな影響を与えることは基本的にないとされています。一方で、次の2点について影響の可能性が指摘されています。
● 整容面:将来的な見た目(頭や顔の左右差)への影響
● 機能面:顔面の非対称が強い場合、咀嚼・摂食・視覚などに影響が出る可能性(American Association of Neurological Surgeons)

治療の選択肢
頭のゆがみへの対処法には、大きく分けて2つの方法があります。
理学療法(体位変換・タミータイム)
月齢3か月未満で、赤ちゃんの向きをこまめに変えたり、うつ伏せで過ごす時間(タミータイム)を作ったりすることで、ゆがみが改善することがあります。ヘルメット治療を検討する前に、まずお試しいただきたい方法です。
ヘルメット治療
体位変換やタミータイムで変化が見られない場合や、重度のゆがみがある場合には、ヘルメット治療が選択肢になります。赤ちゃんの頭に圧力をかけて変形させるのではなく、赤ちゃん自身の頭蓋骨が成長する力を利用して、平らになった部分の成長を促し、正常な形に近づけていく治療法です。
当院で採用しているのは、頭蓋形状矯正ヘルメット「BabyBand(ベビーバンド)」です(一般的名称:頭蓋形状矯正ヘルメット/医療機器承認番号:30500BZX00071000)。1998年にアメリカで医療機器として承認されて以降、世界的に広く使われている治療法で、日本でも2018年に厚生労働省の医療機器として承認されています。
BabyBandは赤ちゃん一人ひとりの頭のかたちに合わせたオーダーメイド設計で、以下の特長があります。
● 3Dスキャンによる採寸で、お子さまの頭にぴったり合う形状に設計
● 大きな通気孔による高い通気性で、長時間でも快適に装着可能
● クッションは取り外して洗濯機で洗えるなど、清潔を保ちやすい構造
● 全国300以上の医療機関で導入されており、治療実績も豊富
適正な時期に治療を開始した場合、約9割程度のお子さまが正常〜軽症の状態まで改善するという治療成績が報告されています。多施設での臨床研究でも、中等症〜最重症のすべての重症度群で治療後に頭の形が有意に改善したことが報告されています(Nagano N, et al. “Therapeutic Effectiveness of a Novel Cranial Remolding Helmet (baby band2) for Positional Plagiocephaly,” Journal of Clinical Medicine. 2024;13(19):5952)。

当院での治療の流れ
1. ご相談・診察 頭のかたちについて気になる点をお伺いし、発育・頭囲の評価を総合的に行います。
2. 3D撮影による重症度評価 3Dカメラでお子さまの頭部を撮影し、ゆがみの重症度を客観的な指標で評価します。痛みを伴うものではありません。
3. 治療方針のご相談 評価結果をもとに、理学療法で経過を見るか、ヘルメット治療に進むかをご相談します。
4. 同意書のご確認・ヘルメットの発注 ヘルメット治療を希望される場合は、治療内容やリスクについて説明文書・同意書でご確認いただいたうえで、オーダーメイドのヘルメットを発注します。3D撮影から初回装着まで、14日以内を目安にしています。
5. ヘルメット装着開始 フィット感や装着方法をご説明し、治療を開始します。1日23時間程度の装着を目安に、お風呂やお手入れの時間以外はできるだけ長く装着いただくことで、より高い効果が期待できます。
6. 通院・経過観察 月1回程度のペースでご来院いただき、そのたびに3D撮影を行って治療の経過(ゆがみの改善度、頭囲・身長・体重などの発育)を確認します。専用アプリでも装着時間や経過を記録・共有いただけます。
7. 卒業 頭蓋内のスペースが成長で埋まり、ゆがみが十分に改善した時点で治療終了となります。
治療期間には個人差がありますが、2〜6か月程度(平均3.5か月程度)が目安です。月齢が低く、ゆがみの程度が軽いほど、治療期間は短くなる傾向があります。
ヘルメットのお手入れ
清潔に保つことが治療をスムーズに進めるうえで大切です。ヘルメット内側のクッション(内材)は毎日取り外して洗浄し、フィット感を調整する緩衝材(白パッド)は3日に1回を目安に新しいものに交換してください。お手入れが不十分な場合、においや皮膚トラブルの原因になることがあります。

治療を始める時期の目安
ヘルメット治療は、開始時期によって効果や治療期間が変わってきます。
● 生後3〜5か月以内(遅くとも6か月になるまで)に開始するのが最も望ましいとされています
● 7か月以降の開始では、治療期間が長くなったり、効果が得られにくくなったりする可能性があります
● 生後12か月以降は治療の対象外となります
「気になっているけれど様子見でいいのか分からない」という段階でも構いません。月齢が上がるほど治療の選択肢が狭まっていくため、気になった時点でできるだけ早めにご相談いただくことをおすすめします。

費用について
ヘルメット治療は自由診療となります(初診時のご相談、頭囲測定や発育の診察など、治療開始前の診察については保険診療で対応することができます)。
内容 費用(税込)
初回ヘルメット作成(3D撮影・BabyBand本体・治療終了までの診察代を含む) 330,000円
なお、生後10か月未満かつ中等症以上のお子さまで、成長にヘルメットのサイズが追いつかなくなった場合の再作成は無償です。
また、初回装着開始日から7か月目以降(かつ生後13か月以降)も治療を継続される場合は、自費健診(3,000円/回、診察代・3D撮影費用込み)として診療を継続いたします。

安全性とリスクについて
ヘルメット治療は、強い締め付けを行うものではなく、頭の成長や脳の発達を妨げるものではありません。一方で、治療中に以下のような症状が見られることがあります。
● 皮膚炎(発赤、ただれ)や皮膚の損傷(水疱、剥がれ、出血等)
● ヘルメットの隙間による装着感の違和感やズレ
肌に赤みが見られた場合は、いったんヘルメットを外して30分ほど様子を見てください。赤みが消えない、皮膚が柔らかくなる、水ぶくれができるといった場合は、装着を中止しすぐに担当医師までご連絡ください。
また、ごくまれに治療開始後に頭蓋骨縫合早期癒合症など別の疾患が判明することがあり、その場合は専門的な対応が可能な病院をご紹介いたします。

よくあるご質問
Q. 頭の形がゆがんでいる気がしますが、ヘルメット治療が必要でしょうか?
A. すべての頭のゆがみに治療が必要というわけではありません。軽度であれば体位変換やタミータイムで経過を見ることも多くあります。3D撮影による客観的な評価をもとに、必要性を丁寧にご説明しますので、「気のせいかもしれない」という段階でもお気軽にご相談ください。
Q. 何歳ごろまでに受診すればよいですか?
A. 生後3〜5か月以内の開始が最も効果的とされ、7か月を過ぎると治療期間が延びたり効果が得づらくなったりする可能性があります。12か月以降は治療の対象外となるため、気になった時点で早めのご相談をおすすめします。
Q. ヘルメットは赤ちゃんに負担になりませんか?
A. オーダーメイドで作られているため、多くのお子さまが違和感なく装着できています。通気性の高い設計で、入浴・お手入れの時間以外は装着いただきますが、赤ちゃんの様子を見ながら少しずつ装着時間を延ばしていきます。
Q. 通院はどのくらいの頻度で必要ですか?
A. 月1回程度のペースで、3D撮影による経過確認を行います。治療期間の目安は2〜6か月(平均3.5か月程度)です。
Q. 治療中にヘルメットが壊れたり、サイズが合わなくなったりしたらどうすればよいですか?
A. 破損・紛失時の交換や、成長に伴うサイズ違いの再作成にも対応しています。生後10か月未満かつ中等症以上のお子さまでサイズが合わなくなった場合は、無償で新しいヘルメットを作成いたします。

ご相談・ご予約について
赤ちゃんの頭のかたちに関するお悩みは、育児をされているご家庭であれば一度は気になることの多いテーマです。「治療するかどうか分からない」という段階でも構いませんので、ぜひ受診してご相談ください。初診時に3D撮影までをご希望の場合は事前にお電話でご予約いただくことをお勧めしています。

電話番号
ぽっけキッズクリニック 045-988-5330
あっぷりけキッズクリニック 045-984-8800