子どもの便秘
2019.12.14更新
子どもの便秘について
便秘とは長い間便が出なかったり、排便時に痛がってしまったり時にお尻が切れてしまうような状態です。治療が必要な場合を「便秘症」と言います。
便秘は特に幼児に多く、小児科では日常的に診察する症状のひとつです。だからといって放置して良い状態ではなく、放置していると徐々に症状が悪化してしまうことが少なくありません。便秘症と診断されたらしっかり治療しましょう。
※ このような症状が見られたら便秘が疑われます
• 便の回数が週に3回未満、5日以上排便がない状態が続く。
• いきんでいるのになかなか便が出ない、苦しくて泣いてしまう。排便時にお尻から出血がある。
• 1日に何度も排便があるがいつも少量でコロコロの便。いつもお尻に粘土のような便が付着している。
トイレトレーニングについて
トレーニングを始めたばかりの頃はトイレで排便が出来たことを褒めるのではなく、お母さんと一緒にトイレに行けたこと、(便が出なくても)短時間で良いのでトイレに座れたことなどをほめてあげて下さい。好きなおもちゃを一つだけトイレに置いてあげたり、便座に座れたら数ページだけ絵本を読んであげたりも良いかもしれません。逆に便があるまでずっと便座に座らせてしまったり、パンツにした時に叱ってしまうと子どもは排便を怖がるようになりトイレに行きたがらなくなり、便秘が悪化する場合があります。
食事について
十分な食事量がないと便が出にくくなります。慢性的に便秘が続く場合は適切な食事量が確保できていてしっかり体重が増えているか確認する必要があります。
食物繊維も排便には大切です。葉物の野菜や根菜類などは食物繊維を多く含んでいます。幼児の場合はあまり食物繊維だけにこだわらずに、まずはご飯や野菜、蛋白質などをバランスよく食べられるように少しずつ食べられる品目を増やすように慣らして行きます。乳製品や酸味のある果物なども便を出しやすくしてくれます。
薬物治療について
便を硬くなりにくくする薬や、腸を刺激して便を出しやすくする薬などを用います。小児に処方される薬は副作用もほとんどなく、習慣性もありませんから安心して使用することができます。むしろ便秘を放置すると悪化してしまうことが少なくないために、生活習慣の改善と薬物療法を組み合わせてしっかりと治療することが重要です。
※ 当院で主に使用している下剤
• 便を硬くしないための薬(モニラック、酸化マグネシウム、モビコール)
• 腸を刺激して排便を促す(ラキソベロン)
• 座薬(テレミンソフト)
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