スギ花粉症の舌下免疫療法
2017.05.14更新
スギ花粉症とは
花粉症とは、植物の花粉が原因となって、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどのアレルギー症状をおこす病気です。花粉症のうちでスギ花粉が原因(アレルゲン)となるものを、スギ花粉症といいます。スギの花粉はおもに毎年2月から4月に飛散しますからこの時期に症状を認めます。日本人のうち20〜30%がスギ花粉症に罹患していると考えられます。
スギ花粉症の診断
毎年春に鼻水、くしゃみ、目のかゆみなどを認める場合にはスギ花粉症を疑います。小児の場合、ウイルス感染や副鼻腔炎(蓄膿症)でも類似の症状を認める場合があり、鑑別が大切です。
スギ花粉症の検査としては、血清抗体検査、皮膚テスト、鼻汁検査などがあります。これらの検査と問診を組み合わせて診断します。
スギ花粉症の舌下免疫療法
スギ花粉症の舌下免疫療法はスギ花粉の抗原を含む治療薬を舌の下に投与します。毎日治療薬を使用することでスギ花粉症の症状を緩和することができます。約8割の人に効果があると言われ、そのうち2〜3割の人はまったく症状を認めなくなりました。
舌下免疫療法の対象は
対象は12歳以上のスギ花粉症の方です。他の花粉、ダニ、ハウスダストによるアレルギー性鼻炎には効果がありません(別の治療薬でダニの舌下免疫療法も可能です。ご興味のある方はご相談ください)。
抗アレルギー剤を使用しても症状の改善が乏しい、抗アレルギー剤は眠気が出てしまい使用できない方はご検討いただけるとよろしいかと思います。
舌下免疫療法の副作用
口の中の脹れ、口や喉のかゆみなどが主な副作用です。これらの副作用は一過性で投与を継続していると徐々に認められなくなります。
稀にアナフィラキシーショックの可能性があります。このようなケースは投与量を間違えたり、長期間休薬した後に急に治療を再開した際がほとんどです。治療薬の使い方に関しては主治医より十分に説明を受けてください。
舌下免疫療法の治療の実際
スギ花粉症の舌下免疫療法はスギ花粉が飛散していない時期に治療を開始します。当院では毎年4月から11月中までに治療を開始します。
1日1回、少量の治療薬から服用をはじめ、その後決められた一定量を数年間にわたり継続して服用します。初めての服用は、医療機関で医師の監督のもと行い、2日目からは自宅で服用します。
治療を開始すると翌年のシーズンから効果が現れはじめます。
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