よくある質問

2025.01.13更新

揺さぶられっ子症候群とは、乳幼児が強く揺さぶられることによって脳に深刻な損傷を受ける症候群を指します。主に0歳から2歳くらいの乳幼児に発生しやすいとされています。
乳幼児の頭部は体に比べて大きく、首の筋肉が未発達なため、強い揺さぶりによって頭が激しく動きます。この際、脳が頭蓋骨内で衝突し損傷して以下のような症状を認める場合があります。

 

揺さぶられっ子症候群の症状
• 意識障害、けいれん
• 呼吸困難または無呼吸
• 嘔吐、食欲不振
• 筋肉の低緊張(体がぐったりする)
• 視覚障害や失明

 

揺さぶられっ子証拠群の原因
乳幼児が泣き止まないなどのストレスを抱えた大人が感情的になり、無意識に激しく揺さぶることが主な原因です。ただし、「たかいたかい」など、子供から手を離して投げ上げてしまうような過度な可愛がり方が原因になることもありますから注意してください。

 

診断と治療

症状や状況から、揺さぶられっ子症候群が疑われる場合には画像診断(CTスキャンやMRI)を行い、脳や目の損傷の有無を確認します。
損傷が重い場合、外科手術や後遺症を軽減するためのリハビリが必要になリます。

投稿者: ぽっけキッズクリニック

2025.01.05更新

赤ちゃんの室内での転落事故は、特に生後数か月から歩き始めるまでの時期に多く見られる事故の一つです。これを防ぐためには、家庭環境を安全に整えることが重要です。以下に、対応方法と具体的な原因を挙げます。

万が一転落してしまった場合の対応


1. 赤ちゃんの様子を確認(打撲から症状が現れるまで時間がかかる場合があります。24時間は様子を観察してください)


• 泣いているか、意識があるかを確認。
• 異常な泣き方や、吐き気、ぐったりしている場合は注意が必要。

2. すぐに医療機関を受診する


• 頭を打った場合、たとえ外見に異常がなくても、頭蓋内出血や脳震盪の可能性があります。
打撲後、ぐったりしている、吐きくり返すなどの症状がある場合には速やかに医療機関を受診してください。受診先がわからない場合は、救急ダイアル(横浜市の場合 #7119)などで相談してください。

よくある転落事故の原因


1. ベッドやソファからの転落(授乳やおむつ替えの際に一時的に寝かせた場所から転落することが多い)


2. おむつ替え台や高い場所での転落(おむつ替え台やテーブルなどの高い場所で手を離した瞬間に起こる)


3. 階段からの転落(ハイハイや歩き始めた赤ちゃんが階段を登ったり降りたりしようとして起こる)


4. 窓やベランダからの転落(窓際の家具によじ登ったり、ベランダの柵を乗り越えることで起こる)


5. チェアやバウンサーからの転落(動きが活発になり、自分で体を動かして転げ落ちることがある)

 

まとめ
赤ちゃんは予測できない動きをするため、「少しの間なら大丈夫」という油断が事故に繋がることがあります。日常生活の中で常に安全を意識し、危険な場所や状況をあらかじめ排除することが最も効果的な防止策です。

投稿者: ぽっけキッズクリニック

2025.01.05更新

当院ではシナジスの接種を行っています。


・ シナジスとは
シナジスはRSウイルス感染に伴う重症化予防を目的に作られた注射薬です。シナジスはワクチンではありません。効果は接種後1か月で、RSウイルスが流行する時期に毎月接種します(通常はRSウイルスの流行がはじまる6月頃に接種を開始します)。

・RSウイルス感染症とは
RSウイルス感染症は秋から冬にかけて流行します。赤ちゃんが感染した場合には細気管支炎や肺炎をきたし、喘鳴(のどからヒューヒュー・ゼイゼイと音がする)や呼吸困難に陥る可能性があります。未熟児や心臓の病気、喘息などの合併症がある場合には重症化のリスクが高いです。RSウイルスに有効な抗ウイルス薬やワクチンは開発されていませんから感染予防が大切です。

・シナジスの接種対象は
重症化のリスクが高い以下のような場合は保険適応でシナジスを接種できます(横浜市在住で乳幼児医療の医療券をお持ちの場合は適応となります)。

早産児
① 早産児
・在胎期間28週以下(28週6日まで)で、接種開始時に生後12か月齢以下
・在胎期間29週~35週(35週6日まで)で、接種開始時に生後6か月齢以下
② 生後24か月齢以下の血行動態に異常のある先天性心疾患の児
③ 生後24か月齢以下の免疫不全を伴う児
④ 生後24か月齢以下のダウン症候群の児

※ 接種は予約制となります。事前にご相談ください。
母子手帳、可能であれば病院の紹介状などをお持ちください。

投稿者: ぽっけキッズクリニック

2025.01.05更新

小児のマイコプラズマ感染症は、マイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)という細菌の一種によって引き起こされる呼吸器感染症です。特に5歳から15歳くらいの学童期前後の子どもに多く見られ、学校や集団生活の場で流行しやすい傾向があります。

主な特徴と症状
* 潜伏期間:約1~3週間。
* 初期症状:発熱、喉の痛み、倦怠感、乾いた咳など風邪とよく似た症状が見られます。
* 進行した場合:乾性咳嗽(乾いた咳)が特徴的で、「長引く咳」の原因になります。夜間に咳が強くなったり、呼吸困難を引き起こすことがあります。
* 重症化:一部のケースでは肺炎に進行することがありますが、多くは無治療でも軽症のまま治癒します。肺炎を合併すると高熱が持続し、咳嗽が遷延、時に胸痛を伴うことなどがあります。
咳嗽が遷延する、咳嗽が強くなかなか解熱しない場合などは受診してください。

診断
診断は主に臨床症状に基づいて行われますが、血液検査やLAMP法という喉から細菌を採取する検査で診断します。発熱が持続して肺炎が疑われる場合にはレントゲン検査を実施します。

治療
軽症の場合には対症療法(痰を切る薬や解熱剤、症状に応じた治療)で治癒しますが、呼吸障害が強かったり肺炎のリスクがあると判断した場合には抗菌薬を処方します。小児では主にマクロライド系抗生物質(クラリスロマイシンやアジスロマイシンなど)を使用します。

感染予防
咳や飛沫を介して感染が広がるため、手洗いや咳エチケットの徹底が重要です。

 

(付録)乳児(0歳児)のマイコプラズマ感染症について
マイコプラズマ感染症を発症しやすいのは主に学童期の小児ですが、乳児でも感染する場合はあります。重症度は軽症の咳嗽から、呼吸困難、肺炎や中耳炎を合併する例まで様々です。
ご自宅で判断いただきたいのは、RSウイルスやヒトメタニューモウイルスなど咳嗽を主とするウイルス感染と同様に、高熱が続く、咳嗽が遷延して呼吸が荒い、哺乳や睡眠に障害がある、吐きくり返すなどの症状がある場合には速やかに受診してください。

投稿者: ぽっけキッズクリニック

2025.01.05更新

RSウイルス・ヒトメタニューモウイルス感染症


●どんな病気?
RSウイルス感染症は、RSウイルスが呼吸器に感染することで発症します。これまで秋から冬にかけて流行すると言われてきましたが、近年春先から流行することが増えています。何度でも感染を繰り返しますが、多くは2歳までに初感染します。年長児、成人が感染した場合は軽い風邪症状程度(咳嗽が遷延します)の場合が多いのですが、赤ちゃんが感染した場合には細気管支炎や肺炎をきたし、喘鳴(のどからヒューヒュー・ゼイゼイと音がする)や呼吸困難に陥る可能性があります。細気管支炎の約7割がこのRSウイルス感染によると考えられます。


ヒトメタニューモウイルスもRSウイルスと概ね同様の症状を呈しますが、RSウイルスが主に新生児や乳児が注意すべき感染症なのに対して、ヒトメタニューモウイルスは幼児でも重症化することが少なくない感染症です。特に熱が高く、解熱まで時間がかかる場合は肺炎を合併している可能性が少なくありません。
両ウイルスともに患者の咳などでウイルスが飛び散って感染します(飛沫感染)。肺炎や細気管支炎になると、症状が次第に悪化して喘鳴、呼吸困難を認めます。未熟児、心臓の病気、喘息などの合併症がある場合には重症化のリスクが高いです。1週間程度の経過で症状は改善します。


●治療と感染予防
残念ながら両感染症の特効薬はありません。抗生剤も無効です。気管支拡張薬、去痰剤、吸入療法などを用いて対症療法を行います。自宅ではこまめに水分補給を行なって痰がつまらないように心がけてください。極端に機嫌が悪い時や、呼吸が荒く水分補給が困難な場合、繰り返し嘔吐する場合には様子をみることなく速やかに受診してください。
現在のところ両ウイルスに対するワクチンも存在しません。手洗いやうがいなど日常的な感染予防が重要になります。年長児や成人が感染した場合には多くは軽症です。「軽い風邪だから」と安心して、赤ちゃんに触れると赤ちゃんが重症化する場合があります。咳や微熱がある場合にはできる限り赤ちゃんには近づかず、室内でもマスクなどを使用してください。

投稿者: ぽっけキッズクリニック