よくある質問

2016.10.31更新

●腸重積症とは?
腸重積症とは、腸の一部が腸の中に入り込んでしまうために生じる病気です。腹痛や嘔吐、血便が特徴的な症状で発見が遅れると腸に穴が開いて腹膜炎を起こし、発見が遅れると時に死に至る場合があります。日本国内でだいたい年間4000人くらいが発症していると考えられ決して珍しい病気ではありません。生後3か月頃から増加し生後7~9か月頃が発症のピークです。3か月未満、6歳以上では稀です。

●腸重積症の症状
特徴的な症状は腹痛と嘔吐、イチゴジャムの様な血便です。乳児の場合は訴えがはっきりしませんから以下の様な症状があれば腸重積症を疑います。

・泣いたり不機嫌になったりを繰り返す
・嘔吐を繰り返す
・ぐったりして顔色が悪くなる
・血便が出る

この様な症状がある場合には様子を見ることなく救急受診をしてください。

●腸重積症の治療
造影剤や空気を肛門から注入して入り込んでしまった腸を押し出します(非観血的整復術)。発症から時間が経っている場合や状態が良くない場合は手術で腸をもとの状態にもどします(観血的整復術)。腸重積症は発見が早ければ手術をしなくても治療が可能で、予後も良い病気です。

●ロタウイルスワクチンと腸重積症
腸重積症はロタウイルスやノロウイルスといった胃腸炎を契機に発症することが少なくありません。また、ロタウイルスワクチンの接種後に若干その発症率が上がる可能性があります。ロタウイルスワクチンは腸重積症の自然発生率があがる前に、生後2か月を迎えたらできるだけ早期に接種を済ませます。また接種後1週間程度は腸重積症の症状に気をつけてください。

投稿者: ぽっけキッズクリニック