●睡眠について
睡眠はレム睡眠(睡眠中、脳が活動している状態)とノンレム睡眠(脳が休止している状態)に分けられます。ノンレム睡眠の間に人間は脳を休め、レム睡眠の間に脳はその日あったことを追体験したり、以前の記憶の整理を行ったりしていると考えられています。寝ている間に夢を見るのもこのような睡眠中の脳の活動によると考えられています。
ちなみに魚類や、爬虫類といったあまり脳の発達していない生物では人間のようなはっきりした睡眠は認められません。脳の発達した人間だからこそ眠ることは大切だと言えます。
●睡眠の大切さ
子供たちは(もちろん私達大人もそうですが)十分な睡眠時間を確保することで翌朝しっかりと目を覚まし、朝食を摂ることができます。睡眠時間が足りない子はそうでない子に対して朝食を摂っていない場合が多いです。「早寝早起き」は子供たちの生活リズムを整え、健康を保つために必須です。
昔から「寝る子は育つ」と言われますが、夜、睡眠中に多くの成長ホルモンが分泌されることが知られています。また、睡眠不足は食欲を調節するホルモンバランスも崩してしまい、十分に睡眠時間を確保している人に対して睡眠不足の人の中に肥満が多いことも知られています。
●どれくらいの睡眠が必要?
諸説ありますが、小児では最低7~8時間。私は小学生で9時間程度の睡眠時間を推奨しています。小学生のうちからあまり睡眠時間が少ないと、更に忙しくなる中学生、高校生になった頃にはもっと睡眠時間が減ってしまうことが予想されます。小学生も高学年になると塾や習い事、場合によっては中学受験などで大変忙しくしている子を多く見かけます。でも、この時期はちょうど子供たちが思春期を迎える時期でもあり、この時期の生活リズムの乱れはその子の一生を左右してしまう可能性があります。
子供に「早く寝なさい」といっても、大人が近くで食事をしたり、テレビを見たりしていれば、子供はどうしてもそちらが気になってしまい眠ることができません。子供たちの早寝早起き、睡眠時間の確保のために親の協力も必要だと思います。