よくある質問

2016.10.31更新

●みずぼうそう(水痘)とは?
みずぼうそうは水痘帯状疱疹ウイルスによって起こる感染力が大変強い病気です。多くの場合それほど重くなりませんが、重症になる例があり、命を落とす場合もあります。通常2~3週間の潜伏期の後に熱が出て、体に虫さされのような赤い斑点が出てきます。1日くらいでそれが水ぶくれになって、全身に広がります。強いかゆみもあります。熱は数日でおさまって、水ぶくれの所も黒いかさぶたがつくようになり、7日くらいでおさまります。平成26年10月に水痘ワクチンが定期接種化されました。それまでは日本国内で年間100万人くらいいると予想された患者数は定期接種導入後劇的に減少しました。

軽いと思われるみずぼうそうですが、脳炎や肺炎、皮膚の重い細菌感染症など多くの合併症が知られています。日本でも、約3,000人が重症化し、10人以上が毎年みずぼうそうで死亡しています。特に重症になりやすいのは、1歳前、7~10歳以上、アトピー性皮膚炎など皮膚の病気のある人などですが、健康な子供や大人も重症になるのが問題です。

●みずぼうそうと帯状疱疹
みずぼうそうと帯状疱疹は、共に水痘・帯状疱疹ウイルスが原因で起こります。みずぼうそうはこのウイルスにはじめて感染したときに起こる病気の姿です。帯状疱疹とは、体の片側に強い痛みと痒みを伴う発疹が出現する病気です。時に痛みが長期間に及ぶこともあります(帯状疱疹後神経痛)。みずぼうそうに罹患するとウイルスは完全に排除されることはなく、一部は私たちの神経節という場所にずっと住み続けます。みずぼうそうに罹患したことのある人(既感染者)が、ストレス、疲労や加齢、特定の病気の治療を受けて水痘に対する抵抗力が落ちると、みずぼうそうのウイルスが再び活性化して帯状疱疹を引き起こします。
帯状疱疹はみずぼうそうの抗体が維持されていれば、仮に水痘ウイルスが神経節の中に残っていても発症しません。これまでは毎年多くのひとがみずぼうそうに罹患していましたから、知らぬ間にみずぼうそうの患者と接触することで免疫力が高まり(追加免疫)帯状疱疹を発症することも防がれていました。子供たちと多く接触する保育園の先生には帯状疱疹が少ないというのはよく知られている話です。ただし、今後水痘の患者が減少するとこの追加免疫を得ることができなくなり、水痘の既感染者の中に帯状疱疹の発症率が増加すると思われます。帯状疱疹を予防するには、まずワクチンでしっかりとみずぼうそうを予防すること、既にみずぼうそうに罹患してしまった場合は、日頃から十分に健康に気をつけることが重要です。

●水痘ワクチンは2回接種を!
水痘ワクチンは26年10月から定期接種になりました。2回接種が基本です。定期接種の対象年齢は1歳と2歳です。1歳をすぎたらできるだけ速やかに初回接種を済ませて、3か月以上を経過したら(できるだけ2歳の誕生日までに)2回目の接種を済ませます。

※定期接種の機会を逃してしまった場合も任意接種として合計2回の接種をお勧めします。

投稿者: ぽっけキッズクリニック