おたふくかぜウイルス(ムンプスウイルス)の感染によって発症します。日本では毎年約60万人が発症しています。かかっても軽症の場合が多いのですが、重い合併症を引き起こす場合があります。
2~3週間の潜伏期の後に、両方またはどちらかの耳下腺がはれてきます。触ってもはっきりしたしこりに触れるわけではありませんが、家族など周囲の人が見るとはれているのに気がつきます。しばらくすると反対側も腫れてきます。発熱は起こることも、起こらないこともあります。症状が出ない(不顕性感染)場合もあります。またおたふくかぜ以外でも、耳下腺が腫れることもあります。周りでおたふくかぜが流行しているかどうかも診断の助けになります。
おたふくかぜには多くの合併症があります。約50人に1人の割合で無菌性髄膜炎が起こります。これを発症すると強い頭痛を訴え、嘔吐することもあります。約1,000人に1人の割合で、一生治らない重度の難聴になることがあります。年間700人くらいがかかっていると推定されています。毎年約30人に脳炎が起こっていて、障害が残ったり死亡したりすることもあります
⚫︎難聴に注意!
おたふく風邪の合併症のひとつが難聴です。約1,000人に1人の割合で発症します。年間700人くらいがかかっていると推定されています。多くの場合は片側性ですが、時に両側の難聴となります。治療は困難で一生治らない重度の難聴になることがありますから、ワクチンで未然に予防することが大切です。
●おたふくかぜワクチンは2回接種を!
多くの国では1回の接種では予防効果が不十分として2回接種が行われており、当院でも2回接種をお勧めしています。1歳を過ぎたらできるだけ速やかに初回接種を済ませて、3~5歳頃に2回目接種を行います。遅くともMRワクチンと同じ頃(就学前の1年間)までに接種を済ませることをお勧めしています。