よくある質問

2020.06.11更新

 子どもが吐いたときの対処法を解説します。

 子どもが嘔吐を繰り返したら、通常の食事は控えてください。できるだけ速やかに経口保水療法(ORT)を開始します。市販のスポーツ飲料ではなく、専用の経口補水液を利用してください。

 


 経口補水液の例 OS1(ペットボトル、ゼリー状)、アクアライトORSなど


 

 

経口補水療法のすすめ方

 子どもが吐きくり返したら、できるだけ速やかに経口補水療法をはじめます。乳児であれば1回5〜10ml(ティースプーン1杯が約5mlで計算すると与えやすいです)、幼児期以降であれば1回10〜20ml程度を5分間隔くらいで与えます。嘔吐があっても根気強く続けてください。嘔吐の回数が減ってきたら、徐々に1回に飲む量を増やして間隔をあけても良いでしょう。嘔吐がある間は、他の飲み物や食事は控えてください。

 嘔吐がとまったら、少量から食事を開始してください。お粥などでなくても大丈ですから、子どもの好む、年齢相当の食事で結構です。乳児であれば母乳、ミルクもOKです。ミルクは薄める必要はありません。必要以上に長く食事の制限を続けても、病気の治る期間に変わりはなく、かえって体重が減って、回復に時間を要してしまう場合もあります。

 食事が摂取できるようになったら経口補水療法は終了して大丈夫です。

 

このような場合は直ちに受診を!

・生後3か月未満の乳児で38度以上の発熱がある

・緑色の嘔吐、もしくは血液(赤色)の嘔吐

・くの字にからだを折り曲げて耐えている、痛みで泣き叫ぶ、もしくは歩くことができない強い腹痛

・右下腹部痛、時間の経過で上腹部から右下腹部に移動する痛み

・血便(イチゴジャムのようなドロドロした便)、もしくは黒色便(タール状の便)


 

 

スポーツ飲料と経口補水液の違いは?

 スポーツ飲料は、スポーツなどで消耗してしまった糖分やミネラルが補給しやすいように調整されています。健康な方、通常の食事などの摂取できる前提の飲み物です。スポーツの後や、発熱や下痢など感冒症状がある時でも、軽い食事が摂取できる場合などは適しています。

 経口補水液(ORS)は、食事や水分が摂取できない方のために調整されています。浸透圧が血液より低めに調整されていて、小腸から効率よく吸収することができ、速やかに脱水を改善します。スポーツ飲料や(ORSの記載のない)普通のアクアライトは、ナトリウム濃度が低すぎるのと、ブドウ糖の濃度が高く浸透圧が高めのため、ORSほど吸収効率が良くありません。嘔吐が持続しているよう場合はORSを利用してください。

 ORSの組成

経口補水液はまずい?

 経口補水液、特にOS-1はナトリウム濃度が高く、味に慣れていない子はしょっぱく感じてしまうかも知れません。このような場合は、ゼリータイプが使いやすいと思います。小さく凍らせて少しずつ食べても良いと思います。

 アクアライトORSは、OS-1ほどナトリウム濃度が高くないのと、ほんのりとリンゴフレーバーがきいていて乳幼児は飲みやすいと思います。

 

 

 

投稿者: ぽっけキッズクリニック