インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる呼吸器感染症です。主にA型とB型が流行し、一度感染しても、別の型や異なるシーズンに再び感染することがあります。
症状と合併症
発熱、咳嗽、鼻汁、頭痛、筋肉痛、倦怠感などがみられます。嘔吐や下痢を伴う場合もあります。症状には個人差があり、高熱がないことだけでは否定できません。
多くは自然に軽快しますが、肺炎や急性脳症を合併することがあります。乳幼児や基礎疾患のあるお子さんでは、特に注意が必要です。
診断
症状の経過や周囲の流行状況、接触歴を確認し、必要に応じて鼻腔などから検体を採取する抗原迅速検査を行います。
発症早期には、感染していても検査が陰性となることがあります。検査結果だけではなく、診察所見と合わせて判断します。検査のために一定時間待つことを優先せず、全身状態が悪い場合は早めに受診してください。
治療
水分補給と休息を基本に、必要に応じて解熱鎮痛薬などの対症療法を行います。抗菌薬はインフルエンザウイルスには効果がなく、細菌感染の合併がある場合などに検討します。
抗インフルエンザ薬は、年齢、症状、基礎疾患、服薬や吸入が可能かなどを考慮して選択します。発症後48時間以内の開始が原則ですが、重症例や重症化リスクが高い場合などは、それ以降でも使用を検討します。すべてのお子さんに必須というわけではありません。
主な抗インフルエンザ薬の種類と特徴は以下のとおりです。治療に用いる場合の一般的な投与方法を示しています。
・タミフル:内服薬。粉薬とカプセルがあり、通常1日2回、5日間服用します。
・ゾフルーザ:内服薬。顆粒と錠剤があり、1回の服用で治療が完了します。
・リレンザ:吸入薬。通常1日2回、5日間吸入します。
・イナビル:吸入薬。処方された量をその日に吸入して治療が完了します。
処方された薬は、指示された用法・用量と期間を守ってください。
家庭での観察
こまめに水分をとり、呼吸状態、哺乳量や水分摂取量、尿量、呼びかけへの反応を観察しましょう。
水分がとれない、尿が明らかに少ない、呼吸が苦しそう、症状が悪化している場合は、速やかに医療機関へ相談してください。
意識状態がおかしい、呼びかけへの反応が乏しい、唇が青紫色になる場合は、119番へ連絡してください。けいれんが5分以上続く場合も救急要請が必要です。呼吸や顔色に異常がある場合は、5分を待たずに連絡してください。
異常行動に注意しましょう
インフルエンザでは、突然走り出す、外へ飛び出そうとするなどの異常行動が、抗インフルエンザ薬の使用の有無にかかわらず報告されています。
少なくとも発熱から2日間はお子さんを一人にせず、窓や玄関の施錠など、転落・飛び出し事故を防ぐ対策をとってください。
登園・登校の目安
出席停止期間は、発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日、幼児では3日を経過するまでです。
発症日と解熱日はそれぞれ0日目として翌日から数え、両方の条件を満たす必要があります。抗インフルエンザ薬で早く解熱しても、この期間が短くなるわけではありません。体調が回復し、無理なく集団生活に参加できることも確認しましょう。
予防接種について
インフルエンザにはさまざまな合併症があり、脳症など重篤なものもあります。発症や重症化のリスクを減らすため、毎年のインフルエンザワクチン接種をお勧めします。
予防接種の種類や予約方法は、別のインフルエンザワクチン案内をご覧ください。




















